株式会社モブキャストホールディングス(以下、モブキャスト)は、2025年10月3日に臨時取締役会を開催し、新たに「ソラナ・トレジャリー事業」を開始することを決議しました。この事業は、同社の企業価値向上を図る次世代の成長戦略と位置づけられており、主力事業である「ソーシャル・エンターテイメント&メディア事業」との連携を図りながら、社会貢献を通じて企業成長を実現することを目指しています。
事業開始の趣旨と背景
モブキャストは、創業以来一貫してクリエイターが自由に創造力を発揮できる環境を提供することを社是としてきました。過去にはブロックチェーン技術を活用したゲーム事業への参入を考慮したものの、その市場環境の未成熟さから具体的進展には至りませんでした。しかし、近年ブロックチェーン技術が成熟し、同社のコア事業が進化したことから、今こそ外部環境の成熟と技術の融合によって新たな挑戦ができると判断しました。
「ソラナ・トレジャリー事業」は、投資に対する保守的な哲学に基づき、暗号資産の一つであるソラナへの投資を戦略的に進めるもので、財務基盤の強化と株主価値の最大化を目指します。具体的には、同社の新株予約権を第三者割当で調達した資本を元に、ソラナを購入し、ステーキングを通じて安定収益を生み出すことを狙っています。
事業の目的
本事業は、次の3つの目的を掲げています。第一に、株主価値の最大化と上場維持基準の達成です。モブキャストは東京証券取引所グロース市場に上場しており、保有資産の効率化を進め、時価総額向上を図ることが求められます。
第二に、新たな収益エンジンの確立です。暗号資産を活用したトレジャリー戦略は、他の上場企業でも注目されており、早期参入を図ることで成長を加速させる狙いがあります。最後に、将来的にはコア事業との連携を強化し、収益と社会貢献の両立を実現することです。
ソラナ選択の理由
モブキャストがソラナを選んだ理由には、いくつかの戦略的要素があります。まず、ソラナの技術は非常に優れており、処理速度が高く、取引コストが低く抑えられます。この特性は、同社の独自のWeb3エコシステムを構築するために非常に重要です。さらに、当社が保有するソラナをステーキングに提供することで、安定収入を得ることが期待され、株主価値を向上させる要因となります。
具体的事業計画
新たな事業に関連する資金は、550百万円を2025年11月から2026年10月の間にサービス提供や開発費用に充当予定です。将来的には、ファンに貢献度に応じたNFTを付与するプロトタイプを開発し、独自のWeb3エコシステムの形成を目指します。たとえば、ソーシャルインパクトパスポートというNFTを発行し、ユーザーが社会貢献を可視化できる仕組みも検討しています。
リスク管理体制の構築
この新事業には、価格変動リスクやセキュリティリスク、法規制リスクが伴います。モブキャストは、これらのリスクを認識し、万全の管理体制を構築し、安全かつ透明性の高い運営を目指しています。特に、暗号資産の管理には専門機関を利用してセキュリティを確保する方針です。
今後の見通し
2025年12月期の業績については期待が難しいと思われますが、計画的に事業を進め、新たな成長機会を捉えるための戦略を立てています。モブキャストホールディングスは、今後もその成長と社会貢献の両立を目指して前進していくことでしょう。