総合開館30周年記念 ペドロ・コスタ インナーヴィジョンズ
東京都写真美術館では、ポルトガルの名監督ペドロ・コスタの個展、「インナーヴィジョンズ」が開催されます。この展覧会は、コスタによる日本初の大規模な美術館展示であり、彼の映画や視覚表現を新次元で体験する貴重な機会です。
コスタの影響を受けた音楽
今回の展覧会は、コスタが若い頃に出会い、深い影響を受けたスティーヴィー・ワンダーのアルバム『インナーヴィジョンズ』をテーマにしています。このアルバムは、音楽を通じて社会と個人の関係を探求しており、その精神はコスタの映像制作に強く反映されています。
1975年に独立したカーボ・ヴェルデ出身のコスタは、リスボンのスラムで暮らすアフリカ系移民の厳しい現実を映し出した『ヴァンダの部屋』で、その独自の視点を広めました。この作品は、日本でも大きな反響を呼び、コスタの名を一躍有名にしました。彼の映像は、強いコントラストと緻密な画面構成で、社会構造への鋭い洞察を提供しています。
展示作品の概要
展覧会では、コスタの代表作『ホース・マネー』をはじめとする映像作品や、撮影に使用された道具が展示され、彼が関わった人物たちのストーリーや背景にも光を当てます。また、コスタが選んだ東京都写真美術館のコレクションも見どころとなっています。この展示は、訪れる人々にコスタの映像表現とその社会的背景を考察する機会を提供します。
ユニークな体験と関連イベント
コスタは自身の映像作品を美術館で発表することで、映画との新たな関係性を模索しており、本展では映画と美術館の展示が異なる体験を生み出します。来場者は展示空間を歩きながら、映像や音、写真が交錯するインタラクティブな体験を楽しむことができます。
また、展覧会期間中には、さまざまな関連イベントが予定されています。ペドロ・コスタが厳選した映画の特集上映や、アーティスト・トーク、ゲストとの対談などが実施されるため、そちらも要チェックです。
開催情報
- - 会期: 2025年8月28日(木) – 12月7日(日)
- - 会場: 東京都写真美術館
本展は、コスタの独創的な視座を体感し、映像芸術の新たな可能性を探求する絶好の機会であり、映画好きや美術ファンにとって見逃せないイベントです。ぜひ足を運んで、彼の作品の中に込められたメッセージに触れてみてください。