相続手続きの煩雑さを解決する新しいサービスの提携

相続手続きを簡略化する新たな取り組み

相続に関する手続きは、多くの人にとって非常に煩雑で理解しづらいものです。特に、故人を偲ぶ余裕がないまま手続きに追われることは、遺族にとって大きなストレスとなります。そこで、相続税申告ソフト『AI相続』と相続手続きを見える化する『素人相続』が業務提携を結び、相続手続き全体を分かりやすくするサービスを提供します。

この提携によって、家族は相続手続きをよりスムーズに行えるようになります。『AI相続』を使うことで、相続税申告書の作成が簡単になり、専門知識がなくても必要な情報を入力するだけで申告が可能になります。データはクラウド上で管理されるため、家族間での情報共有も簡単です。また、申告書は印刷してそのまま税務署に提出できるため、手続きのハードルが低くなります。

一方の『素人相続』は、特定の質問に答えることで、遺族に必要な手続きのリストを瞬時に作成してくれるサービスです。これにより、家族はどの手続きをどこで行うべきか、何を持参すればよいのかを一目で理解できます。そうすることで、専門家に頼る必要がある手続きが本当にどの程度かを見極められ、不必要なコストを削減することができます。

実際、日本の相続に関する状況を見てみると、高齢化が進んでおり、2022年には老老介護が63.5%を占めるとされています。ここに相続のプロセスに対する理解不足が加わると、遺族に過度の負担がかかります。遺言書の作成率が10%未満というデータもこうした状況を反映しています。相続関連の問題は専門家に相談しなければ解決できないという思い込みが、心のこりや混乱の原因になっているのです。

この提携により、一般的な家族が相続手続きを抱える際の負担が軽減され、より良い生活の質を享受できることが期待されます。相続に関する知識がない人でも手続きを理解し、重要なのは故人や家族、そして未来を見つめ考えることだとする意識を促すことを目指しています。

両社の取り組み

下記に両社の取り組む背景について詳しく紹介します。

株式会社みなと相続コンシェル

『AI相続』を運営するみなと相続コンシェルは、相続手続きが家族にとって大切であるにも関わらず、自ら積極的に行うことが難しい現状を打破したいと考えています。弥田有三代表は、「相続の手続きは多岐にわたり、家族が経験しないものも多いため、ストレスを抱えることが多い」と述べています。例えば、事務手続きに追われ、故人を偲ぶ余裕がない状況は避けたいという願いがあります。

合同会社Webtra

一方のWebtraは、サービス開発の背景に自身の父親の急死があり、必要な手続きを迅速に理解できるサービスを作る必要性を感じました。蟹江道弘代表は、「手続きが何かを理解することが非常に重要である」と認識し、家族が自分たちで手続きを行える環境を整えることが必要だと訴えています。両社は、遺族の負担を軽減することを合言葉に提携し、デジタル化を進めることで生まれる新たな価値を提供しようとしています。