採用動画の落とし穴と学生のリアルな声を反映した就活インサイトレポート
現代の採用活動において、動画は欠かせないツールであるが、果たしてその効果を最大限に発揮できているのだろうか。株式会社チェリービー(埼玉県さいたま市)の調査によれば、多くの学生が企業が発信する採用動画に対して「違和感」を抱いていることが明らかになった。これが採用ミスマッチや早期離職の要因となっている可能性がある。
1. 学生インタビュー調査の背景
近年、中小企業では人材不足が深刻化している。企業は採用活動に多くのリソースを投入する一方で、その効果が実際に求職者にどのように伝わっているのかは疑問が残る。今回の調査は、2025年に卒業予定の大学生16名を対象に個別インタビューを行い、学生の本音を引き出した。
調査結果では、「演出感のある採用動画には共感できない」という学生の声が多く見られ、企業が意図する「好印象」がかえって逆効果になっていることが明らかになった。特に、学生は社員の発言に「言わされている」と感じると不信感を抱くことが多い。
2. 採用動画が抱える“3つの落とし穴”
レポートでは、採用動画が引き起こす主な問題点を以下の3つに集約している。
1.
演出が過剰: プロの手によって大いに演出された動画は、リアルさが失われ、学生には「作られた印象」として映る。
2.
職場の雰囲気が伝わらない: 学生が重視するのは、制度や形よりも職場の“空気感”であり、動画の演出ばかりに偏ると、これが伝えられない。
3.
学生の興味に合わない情報提供: 学生に響く情報は、具体的な仕事内容よりも、職場の雰囲気や人間関係に対するものであるため、整然とした構成が逆効果になる。
このような落とし穴には、企業が気づかずに入り込んでしまうことが多い。実際に「リアルな職場」が見えないと、自分に合う企業の選別が難しく、結果として早期の離職や内定辞退に繋がる可能性がある。
3. 学生間での情報の受け取り方の違い
また、学生のタイプによっては、求める情報の内容やその響くポイントも異なる。本調査では、採用の時期が早まる一方で、情報過多や不足のジレンマに直面している現実も浮き彫りになった。
特に、制度や情報があふれる中で学生が最も知りたいのは、実際の職場やそこで働く人々の実像である。これは、企業側がリリースする情報の内容を見直す必要性を示唆している。
4. 採用動画と企業の情報発信の再設計が必要
チェリービーのレポートは、企業が限られた時間の中で伝えたい情報と、学生が求める情報のギャップを見える化することで、採用メッセージの再設計を促すために作成された。企業は、飾られた情報ではなく、実際の姿を正直に伝えることが、より良い出会いにつながることを理解すべきだ。
結論
最後に、採用活動において意義深いのは、企業の「本音」と「リアル」を正確に伝えることに他ならない。このレポートを通じて、多様な価値観を持つ求職者に対して、誠実な情報発信が求められています。
会社概要・サービスの紹介
株式会社チェリービーでは、中小企業の採用課題を解決するために、動画とWeb、写真を一体化した「ビジョンストーリー®」を提供しています。このレポートは、その一環として制作されており、企業の魅力を誠実に伝えるための基盤となることを目指しています。