フジテックが手がける革新的なエレベータ工法
滋賀県彦根市に本社を置くフジテック株式会社が、エレベータ据付における重労働を大幅に軽減する「ガイドレール清掃装置」を発表しました。この装置は、来年1月から国内の標準型およびオーダー型エレベータの据付現場で順次導入される予定です。
作業省力化の重要性
エレベータの据付には、ガイドレールの清掃が不可欠です。このガイドレールは、エレベータが上下するための道筋であり、工場出荷時に塗布されたさび止め油は、エレベータが稼働する前に必ず取り除かなければなりません。以前は作業者が手作業でこれを行っていましたが、ガイドレールの長さが数十から数百メートルにも及ぶため、作業は非常に単調で辛いものでした。
新しい清掃装置の設計
「ガイドレール清掃装置」は、スプレーとスクレーパーを組み合わせたもので、ガイドレールに沿って上下に動かしながら防錆剤を除去します。この装置は、既製の清掃機械では対応できなかったエレベータ用ガイドレールの形状に特化して設計されており、工作機械メーカーとの共同開発によって生まれました。さらに、使用する洗浄液は水性で、環境にも優しい設計です。
効率的な作業時間の短縮
この新装置の導入により、消耗的な手作業から作業者を解放し、作業時間を約30%短縮することが可能になるとされています。これにより、作業者は単調な肉体労働から解放され、より高度な業務に集中できるようになります。
フジテックの取り組み
フジテックは、中期経営計画「Move On 5」において、据付やメンテナンス業務の生産性向上を掲げ、フィールド業務の効率化に注力しています。建設業界の人手不足や時間外労働の上限規制に伴い、業界全体の効率化が求められている中、同社はフィールドエンジニアリング本部を設立し、既存の工法に加えて、自動化装置の開発を進めています。
フジテックの技術力
これまでにもフジテックは、工場でのユニット化工法や、昇降路内を安全に移動できる施工機器の開発などによって、効率的で安全なエレベータ施工を実現しています。例えば、特定の機種で従来の工期から約10%の短縮を達成しています。
フジテックとは
フジテックは、1948年に設立されて以来、エレベータやエスカレータ、動く歩道の専門メーカーとして、研究開発から製造、販売、据付、保守、リニューアルまで一貫して手掛けています。世界24の国と地域に「安全・安心」な移動空間を提供し続けています。
公式ホームページでは、同社のさらなる取り組みや新製品の情報を発信しています。今後もフジテックは自動化技術や効率的な工法の開発に挑み続け、より便利で快適な社会の実現を目指していくことでしょう。