三重県伊賀市が自殺対策として「SOSフィルター」を導入

三重県伊賀市が新たな自殺対策「SOSフィルター」を導入

令和5年8月19日、三重県伊賀市では、児童生徒の自殺対策として「SOSフィルター」を全国で3番目、そして三重県内で初めて導入しました。この取り組みは、近年の児童生徒による自殺者数が増加している中での重要な一歩です。

「SOSフィルター」は、NPO法人OVAが開発したプログラムで、Microsoft EdgeやGoogle Chromeを利用している際に、特定の自殺関連のキーワード（例えば「死にたい」や「リスカ」）を検索すると、関連する相談窓口やセルフケアの方法がポップアップで表示される仕組みです。この機能により、悩みを抱える児童生徒に対して、必要な支援を提供することができます。

近年の警察庁や厚生労働省の統計によると、令和5年の自殺者数は513人に達しており、これは過去2番目に多い数字です。特に、18歳以下の自殺者は、長期休業明けに増加する傾向が指摘されています。この背景を受けて、伊賀市は早急な対策を進める必要があると判断し、小中高学校の全児童生徒に対してこのフィルターを導入しました。

「SOSフィルター」は、個人情報を収集することなく運用され、学校や教育機関への通報は行われないため、児童生徒がリスクを抱えている場合でも安心して利用できることが特長です。これにより、自ら心身の異変に気づき、セルフケアを行う能力を育むことができると期待されています。

統計データでは、児童生徒の自殺の理由として、学校での学業不振や進路に関する悩みが約60%を占めています。この状況を踏まえ、伊賀市の教育委員会では、進路指導や見守り活動のさらなる充実を図り、保護者や地域住民と連携して自殺予防につながる取り組みを進める予定です。

伊賀市教育委員会は、「SOSフィルター」の導入を通じて、児童生徒が自殺を未然に防ぐためのサポートを強化していく方針です。この取り組みが、伊賀市内の子どもたちの心の健康を守る一助となることを期待しています。

さらに詳細の問い合わせは、伊賀市教育委員会の学校教育課へご連絡いただくか、NPO法人OVAの公式ホームページを訪れてみてください。興味がある方はぜひ、これらのリソースを活用してください。

【お問い合わせ】
伊賀市教育委員会学校教育課
電話番号：0595-22-9649
NPO法人OVAホームページ: https://sos-filter.ova-japan.org/