AudiとVolkswagenの販売会社統合で新会社設立
2025年1月、Audi Japan Sales株式会社(AJS)とVolkswagen Japan Sales株式会社(VJS)が合併し、新会社「Audi Volkswagen Retail Japan株式会社」が設立されることが発表されました。この統合劇の裏には、ヨーロッパを代表する自動車販売ネットワーク、ポルシェホールディング(PHS)の戦略が見え隠れします。
ポルシェホールディングの日本戦略
PHSは、2018年にPAIG Japan Automobile Investment合同会社(PAIG)を設立。日本におけるディーラーネットワークの開発・運営をPAIGに委託し、着々と事業を拡大してきました。PAIGは、2019年1月にVJS、2020年4月にAJSの事業をそれぞれVolkswagen Group Japan株式会社から譲り受け、さらに2022年4月にはポルシェの販売を行う新会社を設立しています。現在、PAIGは国内で11拠点のVolkswagen、12拠点のAudi、そして2拠点のPorscheショールームを運営しています。
今回のAJSとVJSの統合は、このPAIGによる戦略の一環と言えるでしょう。これまで別々に運営されてきた両社のノウハウとリソースを統合することで、シナジー効果を生み出し、顧客サービスのさらなる向上を目指しているのです。
新会社「Audi Volkswagen Retail Japan株式会社」の展望
新会社「Audi Volkswagen Retail Japan株式会社」は、AudiとVolkswagenの販売を一本化することで、運営効率の向上、コスト削減などを図ることが期待されます。また、両ブランドの顧客基盤を統合することで、より広範囲な顧客層へのアプローチが可能になります。これまで培ってきた両社の販売力、アフターサービス体制を活かし、顧客満足度の向上に繋がる施策を展開していくでしょう。
保険契約への影響
統合に伴い、両法人の保険代理店も統合されますが、既存の保険契約は、これまで担当していた店舗と担当者が引き続き責任を持って対応するとのことです。顧客への負担を最小限に抑える配慮が見られます。
PHSのグローバルな展開
PHSは、1947年創業の老舗企業。2011年にはVolkswagen AGの完全子会社となり、ヨーロッパ最大級の自動車販売ネットワークとしてその地位を確固たるものとしています。オーストリア・ザルツブルグに本社を置き、ヨーロッパ23カ国に加え、コロンビア、チリ、中国、マレーシア、シンガポール、そして日本とグローバルに事業展開しています。
まとめ
今回の統合は、日本市場におけるAudiとVolkswagenの販売戦略に大きな変化をもたらすでしょう。新会社「Audi Volkswagen Retail Japan株式会社」が、今後どのような革新的なサービスを展開していくのか、注目が集まります。顧客にとってより便利で質の高いサービス提供が期待されます。