戦争を越えて、オリーブの平和メッセージ
3月15日は「オリーブの日」。日本とシリアをつなぐオリーブの物語を通じて、平和を願う意義を考えてみたいと思います。シリア内戦や地震により教育の機会を失った子供たちに支援を提供するNPO法人Piece of Syriaの代表・中野貴行氏が掲げるビジョンは、シリアを再び訪れたい国にすることです。この取り組みに共感し、個々の文化や歴史を伝えることが重要とされる中で、私たちもシリアの魅力を再発見しようとしています。
私が運営する小豆島のオリーブ農園、m.oliveは、無農薬栽培を通じて「地球に優しい農業」を実践中です。私はかつて陸上自衛隊で19年間勤務した経験から、平和を作る活動に興味を持ちました。2011年の東日本大震災後、環境問題や社会問題に関心を持ち始め、ボランティア活動にも参加しました。しかし、シリア派兵の訓練を受けたものの内戦の激化により派遣は中止。そんな中、シリアについて知識を深めるうちに、オリーブ栽培を通じて文化交流を図る意義を見出しました。
オリーブの歴史と文化
オリーブは約5000〜6000年前から栽培されており、シリアとレバノンが発祥の地とされています。古くから神聖な植物として崇められ、食用だけでなく薬や美容にも利用されてきました。特にシリアはその生産量が世界でも有数で、私たちが支援している幼稚園周辺でもオリーブ畑が広がっています。
このような背景日々の農作業の中で、Piece of Syriaのオンラインイベントにも積極的に参加し、シリアの実情を知ることができる貴重な機会を持っています。政治に詳しい専門家の話や、シリアからの直送レポートなどが盛り込まれ、農業に関わる合間に新たな知識を得られます。
今後も、シリアへ訪れることを夢見ながら、自衛隊時代の思いと農業を結びつけ「Go peace!! Go green!!」のスローガンの下、オリーブの栽培を盛り上げていきたいと思います。私たちがオリーブを育てることで、シリアの未来を考える機会が生まれるかもしれません。
日本のオリーブ栽培
日本でのオリーブ栽培は明治41年に始まり、香川県の小豆島で成功を収めました。最近では他の地域にも広がりを見せ、全国各地でオリーブへの関心が高まっています。また、日本では1500種以上のオリーブが存在し、それぞれの品種には独自の特徴があります。小豆島では主に4種類のオリーブを栽培し、食用やオイル用と用途ごとに植え分けています。
特に、オリーブオイルは気候や収穫時期によって異なる風味を持ち、料理に使う楽しみも広がります。私たちの農園では、フレッシュさを楽しむミッション種や、まろやかな味わいのルッカ種を取り扱っており、オリーブの魅力を広めています。
終わりに
Piece of Syriaの活動に参加することで、私たちは国を超えた絆や、一緒に平和を築くための方法を模索しています。シリア料理や文化に触れることで新たな視点が開け、日々の生活にオリーブを取り入れることが平和への一助になれば嬉しいです。
3月15日、オリーブの日を機に、より一層シリアの魅力を知り、自分たちの出来る方法で平和を願い続ける所存です。これからもオリーブを通じて心を通わせ、平和を育んでいきましょう。