田中鉄工の新たな取り組みが未来を変える
佐賀県多久市で、地域の持続可能な未来に向けた新たな協力が実現しました。田中鉄工株式会社は、2025年1月28日に多久市役所にて、全国油脂事業協同組合連合会や九州フードリサイクル事業協同組合と包括連携協定を結び、2050年を見据えたゼロカーボンシティの実現を目指しています。
協定締結の背景
この取り組みは、2024年2月に開催された佐賀脱炭素シンポジウムが契機となりました。田中鉄工による廃食油の利活用に関する講演が行われ、意見交換が図られました。この中で、地域の課題を共有し、相互に協力することが重要だと認識されたのです。さらに、田中鉄工は地域で発生する廃食油をアスファルト合材製造時の代替バイオマス燃料として使用し、その成果を地域社会に還元する「Roa(d)cal SDGs Project」を立ち上げ、全国展開を目指しています。
ゼロカーボンシティ宣言
多久市も2024年4月にゼロカーボンシティ宣言を行い、環境への負荷を減らすために循環型社会の実現を掲げております。具体的には、廃棄物を資源として捉え、天然資源の消費を抑制しようという姿勢が示されています。また、多久市は全国でも唯一、人口あたりのアスファルト合材工場が多い地域でもあり、CO₂排出においても重要な位置を占めています。
廃食油のリサイクルによる環境負荷の軽減
田中鉄工と多久市、さらには全国油脂事業協同組合連合会、九州フードリサイクル事業協同組合の4者は、家庭から出る廃食油のリサイクルを推進することを正式に決定しました。特に、多久市は家庭系廃食油のリサイクルに向けた取り組みを積極的に進めており、田中鉄工は市内に廃食油回収BOXを設置し、地域住民の協力を得るつもりです。
SDGs教育の実施と地域への波及効果
また、田中鉄工は小中学校向けのSDGs教育をYouTubeなどを活用して行うことを計画しています。地域内での意識の向上や情報の共有を図り、持続可能な社会に向けた早急な変化を促進していく方針です。
トレーサビリティとデータの可視化
新たに導入されるトレーサビリティシステムでは、廃食油の収集から再生、再利用までのプロセスを可視化し、地域住民やサプライチェーン関係者にリサイクルによる環境への貢献やCO₂削減状況をリアルタイムで体感してもらうことを期待しています。これにより、地域の活動の透明性が増し、さらなる参加を促す要因となるでしょう。
今後の展望
田中鉄工は、官民一体となった取り組みを通じて、多久市のゼロカーボンシティ実現に寄与する責任を自覚し、引き続き活動を推進していきます。地域の人々と協力しながら、持続可能な未来を築いていく姿勢は、今後の全国的なモデルケースとなりえることでしょう。
田中鉄工株式会社の簡単なご紹介
1918年に設立された田中鉄工は、アスファルトプラントのメーカーとして事業を展開し、環境保護に配慮した製品作りで知られています。本社は佐賀県に位置し、国内に13の拠点を持つなど、強固な地域密着型の企業です。
ホームページ:
田中鉄工株式会社