SLACの新技術
2026-03-17 11:06:23

SLAC国立加速器研究所の新ロボット技術が研究現場を変革

最新技術がSLAC国立加速器研究所に革新をもたらす



米国カリフォルニア州に位置するSLAC国立加速器研究所は、科学技術の最前線で活躍する研究機関です。同所で行われている高エネルギー物理学の研究は、X線自由電子レーザー(XFEL)を駆使し、原子レベルで物質の構造を解析することが可能です。この重要な研究では、装置の稼働時間を最大限に活かすことが成功の鍵となっています。

研究を加速させる新たなロボット技術



SLACでは、X線照射の性能向上のみならず、実験装置の迅速かつ正確な入れ替えを可能にするロボットシステムの導入が求められていました。そこで注目されたのが、米国のSquare One Systems Designが開発した「Tri-Sphere Robotic Positioning System」です。このシステムは、二日間かかっていた段取り替えの時間を、なんと12時間に短縮することに成功しました。

このTri-Sphereは、高精度のパラレルロボットであり、最大約5,440kgの重量を持つ機器を扱える能力を備えています。特に、X線ビームの精密な位置決めを実現するために、一般的な産業用ロボットと同様の6自由度の動作を可能にしています。

ベッコフ技術の採用



Tri-Sphereには、ドイツのベッコフオートメーション社製のPC制御およびEtherCAT技術が採用されています。具体的には、組込み型PC「CX2033」がメインコントローラとして全ての自動化タスクを処理し、リアルタイムEtherCAT通信によって、高速かつ高精度なモーション制御を実現しています。また、TwinCAT NC PTPソフトウェアを用いることで、複雑な多軸モーション制御も可能にしています。

この技術がもたらした最大の成果は、ビームラインを停止させずに、外部でTri-Sphere上に実験のセットアップを行える点です。SLACのエンジニアリング・ディレクター、ボブ・ビオラ氏は、「これにより作業が大幅に加速した」と語ります。実験稼働時間の「ビームタイム」を確保することができるため、研究成果の向上が期待されます。

システムの柔軟性と操作性



Tri-Sphereの設計は、非対称的な作業領域と、ソフトウェアで調整できる中心点の能力により、極めて柔軟な運用が可能です。このユニークな特徴により、実験装置の再配置が迅速且つ正確に行えるため、研究の幅が広がります。操作員は、直感的なフロントエンドソフトウェアを使ってパラメータを簡単に設定可能です。

さらに、Tri-Sphereはエアキャスター上に設置されており、さまざまな実験ハッチへの移動も容易です。このようにしてSLACは、ダウンタイムを最小限に抑えつつ、高精度な実験を実施できる環境を整備しています。

協業の成果



ベッコフ社のビジネスディベロップメントリーダー、マシュー・ガルシア氏は、Tri-Sphereプロジェクトの意義について「このプロジェクトは、Square Oneとベッコフの協業の成果であり、研究効率の向上に貢献できていることを嬉しく思う」と述べています。SLACでの成功は、科学研究における重要な課題克服の一例であり、今後も世界の他の研究機関において導入が進むことが期待されています。

まとめ



Tri-Sphereは、研究の生産性を飛躍的に向上させる技術として、SLAC国立加速器研究所で期待されています。既に他の著名な研究機関への導入も進んでおり、新たな発見の扉を開くシステムとしての可能性を秘めています。これにより、高エネルギー物理学の分野でも新たな研究成果が期待されています。


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会社情報

会社名
ベッコフオートメーション株式会社
住所
神奈川県横浜市中区桜木町1-1-8日石横浜ビル18階
電話番号
050-1790-1111

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