5Gロボット実証実験
2022-07-22 14:51:39
5Gで進化するロボット制御システムの実証実験が始動
5Gで進化するロボット制御システムの実証実験が始動
少子高齢化が進行する日本で、労働力不足が深刻な課題となっています。これに対処するため、ウィングロボティクス株式会社が提案したのが、5Gを活用した「遠隔ロボット制御システム」です。この研究は、東京都立産業技術研究センター(都産技研)が公募した共同研究の一環として進められています。このシステムが実用化されれば、製造業を中心としたさまざまな分野で大きな影響を与えることでしょう。
プロジェクトの概要と目的
ウィングロボティクスは、都産技研とともに「5Gカメラを用いた遠隔ロボット制御システム」の研究を実施してきました。このシステムは、特に製造ラインでのロボット制御を目的としています。2022年3月に採択され、実証実験は2022年10月から開始予定です。
実証実験では、以下の二つのポイントに焦点を当てます。
1. 都産技研内のローカル5G環境を利用しての通信性能評価。
2. ジャパン・イーエム・ソリューションズ株式会社の製造ラインで、安全確保とオペレーター操作性の両立を図るライン設計の検証。
実証実験に先立ち、FCNT株式会社がシステムの検証を進めており、今回、8月よりFCNTのラボで実証実験が始まることになりました。
遠隔ロボット制御がもたらす新しい働き方
この5Gシステムの強みは、少人数のオペレーターによるリモート操作を可能にすることです。これにより、製造現場での人手不足を補うことが期待されています。特に、多品種少量生産においては、作業工程が頻繁に変わるため、ロボットに新しい動作を教える必要があります。従来は専門オペレーターが現場に出向いて調整を行っていましたが、5Gの活用により、遠隔からでもリアルタイムに調整が可能になります。
自動計画による効率化
教示プロセスでは、自動計画技術を併用し、教示コストを抑えることが可能です。これにより、ユーザー企業はより効率的にロボットを運用できるようになります。自動計画を用いることで、これまでよりも手間を減らし、迅速に製造工程を適応させることができるようになるのです。
リモートファクトリーの実現
このシステムの導入により、「リモートファクトリー」が現実のものとなります。たとえば、海外に工場があった場合でも、オペレーターが日本から遠隔でロボットを管理できるようになります。新しい働き方として、工場の稼働状況を自宅や他の場所から確認できるのは、コロナ禍で普及したテレワークと同様の利便性を提供します。
システムインテグレータ企業への影響
この研究は、協働ロボットを運用するユーザー企業だけでなく、システムインテグレータ企業にも恩恵をもたらします。ロボットの導入が進む中、これまで以上に業務負荷が増えることが予想され、その軽減を図るためのサービス提供も考慮されています。サービス開始は2023年を目標にしており、最初は小規模なスタートとなりますが、ニーズに応じて拡大していく予定です。
イベントでの実演
2022年4月、羽田イノベーションシティで開催された「羽田スマートシティEXPO 2022春」では、ウィングロボティクスが協働ロボットのデモンストレーションを行い、来場者が実際にロボットを操作する機会が設けられました。特に子どもたちには大人気で、会場は歓声が絶えない賑わいを見せました。
この新たなロボット制御システムが実用化されることで、今後の製造業における働き方が劇的に変化し、中小企業にも新しいチャンスをもたらすことが期待されています。
会社情報
- 会社名
-
ウィングロボティクス株式会社
- 住所
- 東京都中央区日本橋本町3-3-6 ワカ末ビル7階
- 電話番号
-
03-6202-7258