東洋建設が大きな一歩を踏み出す
東京を拠点とする東洋建設株式会社とBREXA Technologyが、2025年7月1日、両社で共同開発した統合業務システム「WIZDOM」に安全日誌機能を加えました。この新たな連携により、業務の効率化や生産性の向上を目指します。
WIZDOMは、数百回に及ぶ開発会議を経て実現した工事管理システムで、帳票一元化や提出管理、データ登録など、幅広い機能を搭載しています。昨年度には営業や検索システムとの連携を実現し、工事の全プロセスを一元管理できる体制を構築しました。このたび新たに加えられた安全日誌は、各現場での安全管理をさらに強化する重要なツールとして位置づけられています。
安全日誌の基本機能
安全日誌は、いつでもどこでもアクセスできるよう、パソコンや職員が持つ業務用のiPhone、iPadから利用可能です。協力会社に対しても、非武装地帯(DMZ)からのアクセスを許可することで、セキュアな環境を保証しています。これにより、現場の安全情報をリアルタイムで収集・管理することが可能になりました。
このシステムでは、CO2計測や波高データなど、現場で必要な情報を簡単に集めることができます。こうしたデジタル化への取り組みは、ペーパーレス化や効率的なデータ連携を推進し、持続可能な社会に向けた一助となるでしょう。
開発の背景と課題
安全管理においては企業ごとに異なるルールが存在し、一般の安全日誌では不都合も多く見られました。また、現場特有のデータ収集が求められる中で、安全日誌WIZDOMは、各部門における記載方法の違いを考慮して設計されています。土木事業部門、建築事業部門、安全環境部などが手を取り合い、アジャイル開発で素早く実装できる環境を整えました。
安全日誌WIZDOMの機能
1.
ユーザーインターフェース(UI)の改善
安全日誌WIZDOMは、直感的でわかりやすいUIを備えています。職員が直接PCやスマホから機械情報や作業予定を容易に入力できるハイブリッド形式で設計されています。
2.
ペーパーレス化
直接iPadやスマートフォンから手書きのサインを入力することで、完全なペーパーレスを実現しました。データは業務クラウドに自動保存され、管理が容易になります。
3.
協力会社情報の集約
作業内容をプルダウンから選択して簡単に登録できます。また、協力会社の労働者数も自動で集計され、業務の透明性を高めます。
4.
部門ごとのカスタマイズ
土木部門と建築部門で必要な情報が異なるため、それぞれに最適なレイアウトを設定。システム移行後も違和感なく利用できるよう配慮されています。
5.
データ連携
CO2集計や施工実績収集が容易になり、各現場での作業情報を蓄積。施工効率の向上とデータ管理の向上が期待されています。
6.
安全指示機能「K-SAFE」
災害事例や安全ルール、成功・失敗事例を検索できる機能も搭載。これにより、新たな知識の普及と職員の安全意識の向上を図っています。
7.
Knowledge Explorer
各種ファイルの検索が可能な「Knowledge Explorer」を導入、必要なデータを迅速に取得できる環境を整えました。
今後の展望
東洋建設は、今後もWIZDOMのさらなる活用を促進し、全職員のデジタルスキル向上と業務効率化に取り組んでいく予定です。また、デジタル化による業務改善は、企業全体のパフォーマンスを向上させることにも寄与するでしょう。今後の進化に目が離せません。