オーシャン株式会社とenvmission社がインドネシアで脱炭素プロジェクト開始
オーシャン株式会社(東京港区)は、インドネシア西ヌサ・トゥンガラ州の廃棄物埋立地において、当地の企業envmissionと協力し、バイオ燃料を生産する「Waste to Bio-Fuelプロジェクト」を始動させることを発表しました。このプロジェクトでは、年間6万トンの有機廃棄物を熱分解することで、約2万トンのバイオ炭を生産するとしています。
この取り組みは、2025年からプラント設計を開始し、2027年に稼働を目指しています。プロジェクトは、廃棄物を削減し、CO2排出を大幅に減少させることに寄与するほか、商社や製鉄会社に対して高品質なバイオ炭を供給する計画です。
MOU調印式の開催
プロジェクト開始に向けた重要なステップとして、2024年10月23日に東京都品川区の駐日インドネシア共和国大使館にて、MOU調印式が盛況のうちに行われました。式には、インドネシアの副大使や関係者が出席し、オーシャン株式会社を代表する與那覇航氏と、envmission社の代表ティダルバユ氏が署名しました。これにより、両社の協力体制が公式に確立され、プロジェクトの推進が加速すると期待されています。
有機廃棄物の熱分解技術について
本プロジェクトにおいて使用される有機廃棄物の熱分解(Pyrolysis)技術は、高温環境下で酸素を排除し、有機物を分解してバイオ炭、バイオオイル、シンガスなどを生成するプロセスです。この方法は、廃棄物削減のみならず、持続可能なエネルギー資源の確保にも貢献するものです。オーシャン株式会社は、廃棄物削減とバイオ燃料生成の両立によって、地域の環境負荷の軽減を目指しています。
環境へのインパクト
オーシャン株式会社は、このプロジェクトによって年間5万トン以上のCO2の削減を見込んでいます。有機廃棄物の熱分解によるバイオ燃料の生成は、地域の脱炭素化を促進し、環境保全に大きく寄与することとなります。加えて、廃棄物処理プラントの稼働により、地元にも約2億円以上の経済効果をもたらす見込みです。この経済効果は、プラントの運営に伴う直接雇用や関連業者の雇用増にもつながるため、地域経済の活性化にも大きく貢献します。
フューチャー展望
今後、オーシャン株式会社は、初期の取り組みをモデルに特定の課題を解決しつつ、インドネシア全国の廃棄物処理施設へとプロジェクトの展開を進める予定です。将来的には、年間100万トンの廃棄物を処理する体制を確立し、さらに年間85万トンのCO2の削減を実現する計画です。
カーボンクレジットの創出
さらに、本プロジェクトでは、パリ協定第6条に基づいたカーボンクレジットの創出が見込まれており、国際的なカーボン市場での取引を通じて、排出削減に貢献するとともに、グローバルな環境意識の高まりに応じて企業や団体がこれを取得することが期待されます。
会社概要
オーシャン株式会社は2023年に設立され、脱炭素ソリューション開発をメインとしています。一方、envmission社はインドネシアにて2023年に設立され、持続可能性や循環型経済を推進しています。今後の両社の連携が、持続可能な社会のモデルとなることに期待がかかります。