ウィズコロナの飲食店支援『組立式ヤタイ』の登場
近年、新型コロナウイルスの影響で多くの飲食店が厳しい状況に置かれています。こうした中、国土交通省は飲食業界を支援するための取り組みを強化してきました。その一環として、地方公共団体や地域の住民、団体との連携を通じて、路上利用の占用許可基準をさらに緩和しています。
この動きに応じて、学生たちと地元企業が協力して開発したのが、『組立式ヤタイ』です。飲食店がテイクアウトやテラス営業を行えるようにするための、簡単に組み立てられる什器が登場しました。
概要と特徴
『組立式ヤタイ』は、組み立てが簡単でアレンジも自在な製品です。蝶番を使った折りたたみ式で、パーツが少ないため持ち運びにも便利。また、工具を使わずに5~10分で誰でも簡単に組み立てが可能。シンプルなデザインのため、塗装や暖簾を使ってオリジナルの屋台としてカスタマイズすることもできます。
- 組立展開時サイズ:H1800×W1770×D500ミリ
- 収納状態サイズ:天板1600×340ミリ、 中板1600×190ミリ、 台座900×600ミリ×4、 暖簾掛け1650×30ミリ角×1、 支柱1650×30×24ミリ×2、 蝶ネジ8個
*暖簾は付属しません。
このヤタイを通じて、飲食店の新たなビジネスモデルを支援することが期待されています。コロナ禍の今後においても、屋外の活動が重要になることから、注目を集めています。
学生たちの設計
『組立式ヤタイ』の設計とデザインは、豊橋まちなか公共空間活用学生実行委員会と豊橋技術科学大学の建築設計サークル「TYACC」の有志が携わりました。顧問の辛島一樹助教は、街中での活動を促すことを目的に、これまで多様な公共空間の活用に取り組んできたことから、このプロジェクトへの意義を語ります。
「まちなかで人々が集まり、楽しむ環境を提供していくことが重要です。屋外空間の活用が進むことで、新しい生活様式の創造につながることを期待しています」と辛島氏は述べています。
無料レンタルキャンペーンの開始
『組立式ヤタイ』の一般販売に向けて、プロトタイプの無料レンタルキャンペーンが開始されました。飲食店がテイクアウトを行う際にぜひ利用してほしいとされています。
【応募要項】
- - 業態:テイクアウトを始める飲食店
- - レンタル期間:2021年2月1日以降、期間は柔軟に相談可能
- - 価格:送料・返却はお客様負担にて無料
- - 提供条件:設置・使用写真を送信後、SNSでの投稿
- - 台数:3台限定
詳細や申し込みは老津木工有限会社の公式HPで確認できます。
地元企業の取り組み
老津木工有限会社は愛知県豊橋市で、特注家具やオリジナル家具の製造に携わり、コロナ禍での工夫を重ねてきました。代表取締役の松井誠氏は、「苦境に立たされている飲食店の助けになりたい」と強い思いを語っています。
このような取り組みを通じて、地域全体が連携して新たな挑戦に取り組む姿勢が求められています。屋外の豊かな空間作りに『組立式ヤタイ』が一役買うことで、飲食店が新たに復活していくことを願っています。