女性の健康に寄与する乳酸菌：腸内環境改善の研究結果とは

女性の健康と腸内環境

フジッコ株式会社は、カスピ海ヨーグルトで知られる乳酸菌「Lactococcus lactis subsp. cremoris FC株」の腸内環境に与える影響に関する新しい研究結果を発表しました。この研究では、特に成人女性に対する健康効果が注目されています。

研究の背景

腸内細菌は健康にとって極めて重要な役割を果たしており、特にビフィズス菌などの有用菌の増加は整腸に寄与するとされています。しかし、現代の食生活は偏りがちであり、これが腸内環境に悪影響を与えることがあるため、改善策として乳酸菌の摂取が注目されています。フジッコが行った研究は、武庫川女子大学などとの共同研究で、具体的な実験結果が明らかになりました。

研究の概要

研究は健康な成人女性66名（平均年齢45.3歳）を対象に実施されました。参加者は6週間にわたって、クレモリス菌FC株を含む牛乳発酵物と、対照の菌種を使用した牛乳発酵物をそれぞれ摂取し、その間の排便状況や腸内菌叢の変化を調査しました。便から抽出したDNAを用いて、腸内の細菌の状態を網羅的に解析しました。

主要な発表内容

研究結果の一つ目は、腸内菌叢のクラスター分析によるもので、クレモリス菌FC株の摂取によって特定の菌叢パターンが形成される傾向が見られました。特にビフィズス菌の増加が著しかったことが指摘され、クレモリス菌を含む発酵物が腸内環境の改善に寄与することが期待されています。しかし、全体の半数が菌叢に大きな変化を示すことがなかったため、彼女たちの食生活が影響している可能性も示唆されました。

食生活と腸内環境

第二の発表では、全体の食生活の傾向が紹介されました。被験者は食物繊維の摂取が少なく、脂質の割合が高い食事をしていることが分かりました。また、便秘傾向のある被験者は、緑黄色野菜や乳製品の摂取率が低いことも判明しました。これにより、腸内のビフィズス菌占有率が低くなり、便通にも影響が及んでいることが示されています。

実践的な提言

この研究結果から、フジッコはクレモリス菌FC株を含むヨーグルトの定期的な摂取が、健康な腸内環境の維持に寄与できる可能性を示唆しています。特に食物繊維が不足しがちな食生活の中で、乳酸菌を意識して摂取することが大切です。日常的にこれらの食品を取り入れることで、腸内環境を整え、便通改善を目指すことが期待されます。