2025年に向け、アジア太平洋地域の投資市場が動き始める
不動産総合サービスを手掛けるクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)が、2025年のアジア太平洋地域における投資市場に関するレポート『APAC キャピタルマーケット ミッドイヤーアウトルック』を発表しました。このレポートによると、約700億ドルの資金が待機しており、積極的な投資活動が再開される時期を見計らっています。これまでの「様子見」からの脱却が期待される中、投資家たちがどのような戦略を描くかに注目が集まっています。
資金の行き先は?
C&Wのレポートでは、待機中の資金は主にデット(債務)、オポチュニスティック(投機的投資)、バリューアッド(価値向上型)の資産をターゲットにする見込みです。この背景には、国内外の経済情勢や金利の動きが影響しています。特に、安定したインカムを得られる資産やセクターが注目されるでしょうでは、いわゆる「レジリエントな」資産が好まれると報告されています。
過去2年の影響
アジア太平洋地域は過去2年間、急激な金利上昇の影響で経済成長が鈍化しましたが、それでも全体的には成長を維持しています。投資活動は減少傾向にあったものの、最近の動向は安定してきており、市場において再び楽観的な見通しが浮上しています。C&Wの国際調査部門責任者、ドミニク・ブラウン博士は、「急激な金利上昇にも関わらず、ビジネス不動産投資に対する楽観的な見方が強まっている」と述べています。
今後の動向
2024年に入ると、利下げが緩やかに進むと予想されており、その動向は国ごとに異なるでしょう。アジア太平洋地域は今後も堅調な成長を維持し、特に新興市場の回復が重要なポイントとなります。ブラウン博士は、地域全体で成長率が4%程度に安定すると予測しています。
市場に影響を与える要因
C&Wは、投資市場に影響を与える可能性のある以下の要因を挙げています:
1.
地政学的分裂 - 緊張の高まりが投資戦略に影響を及ぼす可能性。
2.
債務水準 - 高位にある債務が慎重な監視を必要。
3.
メガトレンド - オルタナティブ資産クラスの成長がトレンドに影響。
4.
AIとテクノロジー - 出現しているテクノロジーが不動産の未来を変容させる。
このような要因を踏まえ、投資家は徐々に動き出すと言われています。アジア太平洋地域は、今後の成長とともに注目の地域として位置づけられています。
まとめ
C&Wは不動産サービスの大手企業であり、ニューヨーク証券取引所に上場しています。約60カ国に展開し、2023年には95億ドルの売上を記録しています。エクイティやサステナビリティに対する取り組みでも高い評価を受けており、クオリティの高いサービスとともに業界における存在感を示しています。公式ウェブサイトやSNSを通じて、最新の情報をチェックすることができます。