資生堂クリエイティブによる新たなビューティー提案
資生堂クリエイティブ株式会社が、色覚多様性に焦点を当てたプロジェクト「SHISEIDO Universal Beauty Design®︎」による新たな取り組みを発表しました。このプロジェクトは、色覚の多様性を持つ人々の視点を尊重し、幅広い視覚体験を提案するものです。
色覚多様性への理解
色覚多様性とは、色を感じる能力に違いがあることを指します。人間の目には、光を感知するための錐体細胞が3種類ありますが、遺伝や外的要因によって、この錐体の数が減少している人々も存在します。特に、日本においては男性の約5%、女性の0.2%が色覚マイノリティに該当すると言われており、欧米ではそれぞれ8〜10%、0.5%という割合です。この現状を踏まえ、資生堂は色の見え方の違いを体感できるプロジェクトに挑戦しました。
「MY COLOR MY BEAUTY」プロジェクトの概要
このプロジェクトでは、色覚マイノリティの畝本彩美さんと共創し、特別なメイクアップキットを開発しました。畝本さんは視覚障がいを持つ中で、色覚の違いを感じる稀な体験を持っており、彼女との協力により新たなビジュアル表現を追求。資生堂の豊富な口紅やアイカラーの中から、畝本さんが「美しい」と感じる色を選出し、それに基づいたカラーキットを制作しました。
さらに、撮影では色覚マジョリティのスタッフが「バリアントール」という特殊なフィルターを使用。これにより、畝本さんが捉える色の世界を体感し、共有するプロセスが実現しました。このように、一緒に創り上げることで、視覚体験の多様性を示す新たなビューティー表現が生まれました。
今後の展望と一般公開の予定
資生堂クリエイティブは2025年初頭、これらの活動を一般に公開する計画を立てています。また、共創パートナーである伊藤光学工業株式会社のウェブサイトでも、バリアントールの活用事例が近日中に紹介される予定です。資生堂は、全ての人々がストレスなくメイクを楽しむことのできる体験を提供することを目指しています。
まとめ
色覚多様性を体感できるメイクという革新的な試みは、ビューティー業界に新しい視点を提供しています。資生堂クリエイティブは、今後も美の体験を拡張し、多様な価値を受け入れる社会をサポートし続けることでしょう。美しさの基準が広がる中で、私たち一人一人が感じる「美」を再考するきっかけになるかもしれません。色覚の違いを通じて、私たちの周囲の美しさを再発見する旅は、まだ始まったばかりです。