日本語楽曲『HANAZONO』が全米チャートで快挙
2025年6月6日、アメリカのiTunes「シンガーソングライター」チャートで、NISHIOKAの楽曲『HANAZONO』が堂々の3位にランクインしました。この業績は、日本語の楽曲としては極めて珍しい快挙であり、インディペンデントなシンガーソングライターが、名だたるアーティストたちと肩を並べたことを意味します。
注目のチャート
このチャートの上位には、オーストラリア出身のシンガーDean Lewis(1位)、TikTokバズで急浮上したMyles Smith(2位)、そしてフォーク音楽の巨星Tracy ChapmanやJames Taylor、Jimmy Buffettといったレジェンドたちが名を連ねています。その中で、知名度はまだ低い日本のシンガーNISHIOKAによる『HANAZONO』が、3位にランクインしたことの意義は大きいです。
日本語楽曲がこのような影響力を持つのは極めて稀なことであり、特に英語圏のリスナーから支持を受けることは尋常ではありません。また、同日には「オルタナティブフォーク」チャートで1位まで獲得し、さらなる注目を集めています。
『HANAZONO』の背景
『HANAZONO』は、大阪市西成区・花園町をルーツに持つNISHIOKAが制作した楽曲です。社会の周縁で置かれてきた地域の音を、素朴なサウンドと真摯な言葉で描写しています。この曲は、暴動や貧困、差別といったテーマに触れながら、派手な演出や宣伝とは無縁の、静かな力強さを持っています。実際、日本国内ではあまり知られていない中で、海外で先に評価を受けるという形になりました。
万博と『HANAZONO』の意義
2025年春、大阪で開催された関西万博の際にも、『HANAZONO』はその存在を響かせました。万博では「未来」が語られる中、NISHIOKAは過去や現在のリアリティを歌うことで、逆に未来のあり方を問い直しています。これによって、音楽の力は言語や国境を超え、ある種の共鳴を生むことが明らかになりました。
異常性と今後の展望
特にアメリカの「シンガーソングライター」チャートで日本語の楽曲が3位に入ったことは、文化的な観点からも異常な現象です。NISHIOKAは、単に音楽を作るだけでなく、ジャンルや国境を超えた“生きた音”を提供し続けています。
さらに、彼の活動は今後も広がりを見せる見込みです。8月には新曲をリリース予定で、海外ラジオやインディーメディアとの連携も視野に入れています。5月3日にはiTunes UKで5位、Spotify UK「Top 50」にもランクインしており、欧米圏でのさらなる展開が期待されています。
NISHIOKAの音楽は、ただのエンターテイメントではなく、社会的メッセージを含んだアートであることがわかります。そして、彼の音楽がどのように広がっていくのか。この先の動向から目が離せません。