血管の若返りを促す注目成分「NMN」の効果と健康寿命延伸の可能性
株式会社ディーエイチシーが最近発表した研究成果は、注目の成分「NMN」(ニコチンアミドモノヌクレオチド)が血管の硬さを改善し、健康寿命の延伸に寄与する可能性を示しています。2025年7月27日に開催された徳島医学会学術集会の公開シンポジウムで発表されたこの研究は、近年の健康維持や老化対策の文脈で非常に重要なテーマとなっています。
NMNとは何か?
NMNは、生体内に存在し、エネルギー生成に欠かせないNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の生成を助ける成分です。加齢に伴いNADは減少し、これが健康や老化の研究で注目される要因となっています。DHCは約8年間、このNMNが血管の健康に及ぼす影響を追求してきました。
研究の背景
日本では、平均寿命と健康寿命の差を縮めることが大きな社会課題とされています。特に血管関連の疾患は日本人の主要な死因の一つで、健康寿命を延ばすためには血管を若々しく保つことがポイントです。そこで、NMNが血管の健康に及ぼす役割についての研究が行われました。
研究結果
ヒト臨床試験
NMNを含むサプリメントを12週間にわたり健康な中高年者が摂取した結果、血管の硬さは平均でマイナス2.0歳改善しました。この改善傾向は、特に健康を気にする層で顕著でした。プラセボ群は逆に平均してプラス0.5歳の変化を示したことから、NMN摂取の効果が認められました。試験参加者には大きな異常は確認されず、NMNの安全性も保証されました。
細胞試験
次に、NMNの細胞における効果を調査したところ、軽度の酸化ストレス下では、1時間以内に約80%もNADが一時的に低下することが分かりました。通常、NADは血管のバリア機能を守るために使われますが、酸化ストレスによりその消費が増えることが判明しました。しかし、NMNを補給することで、血管細胞間の接着力を保つことができるという新たな発見がありました。これにより、NMNは血管のバリア機能を維持する手助けとなる可能性が明らかになりました。
NMN摂取の重要性
最近の研究では、新型コロナウイルスを含むウイルス感染症がNADを急速に消費し、血管のバリア機能や免疫システムを低下させることが示されています。したがって、NMNの補給が感染症の重症化予防に役立つのではないかという期待も高まっています。
今後の展望
DHCは今後も科学的根拠に基づいた研究開発を進め、安全で効果的な商品とサービスを通して、消費者の美と健康をサポートしていく方針です。このNMNに関する研究は、健康寿命延伸に寄与する新しい可能性を示しており、今後の研究にも大いに期待が寄せられています。