徳島県美波町が主体の循環型林業と防災協定の結束
徳島県美波町に本社を置く株式会社四国の右下木の会社が、地元の美波町および美波町自主防災会連合会、さらに有限会社角田商店と防災に関する協定を結びました。この取り組みは、地域における災害対策の強化を目的としており、特に薪の供給を通じて災害時の備えを充実させるものです。
調印式が行われた場所では、四国の右下木の会社の代表取締役である吉田基晴氏が、自社の林業によるエコロジーな取り組みを強調しました。この会社は広葉樹を対象とした循環型林業を推進し、樵木備長炭や樵木薪の製造販売を手掛けています。これらの活動は地域振興にも寄与し、地元資源の有効活用を図るものです。
循環型林業と自然との共生
日本の森林の約70%は山林が占め、その内の約半分は天然林である広葉樹が特徴です。過去には、これらの森林は薪や肥料を供給する重要な資源として機能していましたが、燃料革命によりその需要は減少。結果として林業従事者の減少と森林の過疎が進行し、放置された森林が過繁茂し、様々な自然災害のリスクが高まっています。
特に徳島県南部では「樵木林業」と呼ばれる独特の技法がかつて盛んでした。これは、天然林から薪炭に適した木材を選んで伐採し、持続的な森林環境を保つことを目的としています。この技法は、風倒木による森林破壊を防ぎ、地域の生態系を守る重要な役割を果たしています。
防災協定の意義
最近の地震の発生を受けて、防災の重要性が再認識されています。特に南海トラフ地震の脅威が叫ばれる中、美波町では最大20メートルを超える津波が予測されており、地域における災害対策が急務とされていました。四国の右下木の会社は、こうした現実に基づき、防災協定を締結し、薪の供給を通じて地域社会の防災力を高めることを決めました。
この薪は、災害時の調理や暖房、照明の確保に役立つ貴重な資源です。会社は地元自治体や他の関連組織との密接な連携を図り、地域住民の安全を守るための取り組みを強化していくようです。
会社概要
株式会社四国の右下木の会社は、2021年4月に設立され、美波町を中心に地域振興を展開しています。事業内容には、樵木林業による循環型林業、薪炭製品の製造販売、森林資源の活用に基づく地域サービスの提供などが含まれます。特に「海部の樵木林業」は、2018年に林業遺産に登録されたことでも知られています。
四国の右下木の会社は、今後も地域との協力を重視し、持続可能な地域社会の実現に貢献していくことでしょう。
会社情報
この取り組みを通じて、地域が災害に強い環境を整え、持続可能な発展を遂げることを期待します。