近年、旅行者が宿泊施設を探す方法は大きく進化しており、特に「AI検索」が新しい潮流となっています。これに伴い、AIが推薦する宿泊施設の特徴を明確に理解する必要性が高まっていますが、日本ではそのような体系的な調査が行われていませんでした。そんな中、CHILLNN AIO Labが実施したこの大規模調査は、宿泊施設に対するAIの推薦基準を探る新たな試みです。
調査の対象は、浅草、箱根、金沢、京都、名古屋、那覇の6つの都市にある540の宿泊施設です。使用したAIモデルは、ChatGPT、Gemini、Google AI Overviewの3つで、これらのモデルに540のクエリを問いかけ、どのホテルがAIによって推薦されたのかを分析しました。
調査から得られた主な発見
1.
OTAの上位掲載とAI推薦は必ずしも一致しない
調査では、OTA(オンライン旅行代理店)上位30位以内にランクインしているホテルのうち約5割にあたる363室は、一度もAIに推薦されることがありませんでした。その一方で、上位リストに載っていなくてもAIに安定して推薦されるホテルも存在しており、今回の調査では合計13件が該当しました。
2.
多様なオンラインプレゼンスと良質な口コミがカギ
AIが推薦するホテルの特徴として、幅広いオンラインプレゼンスが挙げられます。これらのホテルは、自社サイトやInstagram、主要OTA、さらには編集メディアなどで広く露出しており、主要OTAでのレビューも85点以上を獲得する高評価を得ています。したがって、多様な媒体での存在感がAIの推薦には重要であると考えられます。
3.
第三者コンテンツの引用が目立つ
各AIモデルが引用したURLの約36%が、編集メディアやユーザー生成コンテンツ(UGC)、口コミサイトからのものであったのに対し、ホテルの公式ウェブサイトからの引用はなんと0.24%に過ぎません。この結果は、AIが情報源として社外の評価を重視していることを示唆しています。
今後の取り組み
本調査は汎用プロンプトを用いて行われましたが、今後は旅行者がより具体的な条件(たとえば、20代や記念日旅行など)を指定するニッチなプロンプトに基づく調査に発展させていく予定です。これにより、特定の個性を持ったホテルがAIに推薦されるための条件を解明していくことを目指しています。また、ホテルのAI可視性を向上させるための実践的な施策についても継続的に提言していく方針です。
本調査の詳細は、AIOラボの公式メディアで無償公開されています。興味のある方はぜひそちらをご覧ください。調査結果を受け、宿泊業界が今後どのような変化を遂げていくのか、注目が集まります。是非、最新の情報をチェックし続けましょう。