高齢者の認知機能向上に向けた新たな試み
ピクシーダストテクノロジーズ(PxDT)は、株式会社学研ココファン(学研CF)、及び株式会社第一興商と共同で、高齢者向けの運動プログラム「学研ココファン脳元気タイム座って楽しく!チェアYOGA体操」に、PxDTと塩野義製薬が共に開発した「ガンマ波サウンド™」を活用した実証トライアルを実施しました。この取り組みは、高齢者の認知機能向上を目指すものです。
共同実証トライアルの背景
学研CFが提供するデイサービスでは、認知症予防に向けた「脳元気タイム」というプログラムを展開しています。2024年10月からは、新たに「チェアYOGA」を追加予定で、そのコンテンツには日本音楽健康協会監修の映像が使用されます。音源には「ガンマ波サウンド™」を取り入れることが計画されており、実証トライアルが行われています。
この「ガンマ波サウンド™」は、日常生活の中で認知機能をケアできる可能性があるとされています。これまでの研究から、音の聴取環境が脳波やそれに伴う効果に影響を与えることがわかっています。PxDTは、この新しいサービスを通じて、効果的に音を届けるための指針を策定することを目指しています。
トライアルの成果とアプローチ
実証トライアルでは、音響の定量的評価や実測に基づく脳波測定を行い、参加者への音の届け方を科学的に検討しました。その結果、各施設での「チェアYOGA」において、効果的な音の流し方や機器の設置位置についてのガイドラインが策定されました。今後、これに基づいて、「ガンマ波サウンド™」を流すための独自プロトコルを持つ機器が導入される予定です。
未来を見据えた取り組み
PxDTとパートナー企業は、科学的な観点を重視し、引き続き実証と検証に力を入れることで、ガンマ波サウンドの実社会実装を進めていきます。高齢者の認知機能を支援する新たな手法の一環として、こうした取り組みが推進されることが期待されています。
ガンマ波サウンドについて
「ガンマ波サウンド™」は、日常生活で耳にする音をリアルタイムで40Hzに調整する技術であり、PxDTと塩野義製薬が開発しました。この音は、記憶や推論を司る脳のガンマ波帯域と同じ周波数で、認知機能改善に寄与する可能性があります。過去の研究では、40Hzの音がマウスの認知機能を改善したことや、臨床試験で認知機能の悪化を抑える結果が得られています。
課題として、これまでの40Hz音は単調で日常生活に取り入れることが難しいものでしたが、PxDTと塩野義製薬は、音声を含むリアルなサウンドの調整を可能にしました。これにより、日常的に享受しながら、認知機能をケアできる新しい音の提供が期待されています。
まとめ
ピクシーダストテクノロジーズは、科学と技術を駆使した新たなアプローチで、高齢者向けの認知機能ケアを行っていきます。ガンマ波サウンドを活用することで、未来に向けた新しい可能性が生まれることに期待が寄せられています。