名古屋商工会議所の生成AI基礎研修
名古屋商工会議所(以下、名商)は、職員向けに生成AI基礎研修を実施しました。この研修は、業務用生成AIツールの社内導入に伴い、職員がその基礎知識をしっかりと身につけ、実務に応用できる能力を高めることを目的としています。
研修の背景
名商は業務効率化を図るため、全職員に生成AIツールを導入することに決定。職員の資質向上や、会員企業の満足度向上を狙っています。そのため、生成AIの基本を理解し、正しくツールを活用できるようになるための研修が必要とされました。
研修は全体で約90分。まずは、生成AIの技術特性を理解し、実際の業務にどのように役立てられるかを具体的なユースケースを通じて学びます。
研修内容の詳細
生成AIを理解する
研修は、単なる講義ではなく、実際にAIを操作することから始まりました。参加者は「2030年に予想される出来事」をAIに尋ね、その結果をリアルタイムで観察。出力された情報は「デジタル花火」や「アバターロボットによる労働力不足の解消」といった想像力をかき立てるものでした。
講師を務めた中島正博氏は、生成AIがなぜ新しい回答を生成できるのか、従来のAIとの違いをゲーム感覚の解説を交えながら、業務への応用に焦点を当てました。特に、確率論と連想学習の組み合わせによって生成AIが動作することを直感的に説明しました。
プロンプトの効果
この研修では、生成AIへの指示文(プロンプト)の重要性についても言及。漠然とした指示ではなく、明確で具体的な指示を与えることで、質の高いアウトプットを得られるという点が強調されました。プロンプトの基本的な考え方の中には、「役割を与える」「目的を伝える」「出力形式を指定する」などがあり、AIを活用するための思考法として参加者に伝達されました。
実務ユースのデモ
研修では、参加者が実務にどのように生成AIを活用できるかを実演しました。具体的には、次の三つのシーンを取り上げました。
1.
イベント企画書の生成: 参加者は、過去のイベント内容をAIに与えて、未来のトレンドを基にした企画書を生成しました。
2.
アンケートデータの分析: イベント後のアンケートデータを分析し、課題を言語化し次年度の企画へと生かす流れを体験。迅速なデータ処理が可能であることを示しました。
3.
問い合わせボットの作成: 社内規程に基づくFAQボットの作成も実演。このボットを使うことで、内部問い合わせの効率化が期待できることを示しました。
安全な使い方
研修の最終部分では、生成AIを業務に安全に取り入れるためのルールを説明しました。IDやパスワードの管理、フリーWi-Fiの利用時のリスク、個人情報や機密情報の取り扱いに関する重要性が伝えられ、「AIの出力の責任は人間にある」という原則が強調されました。この情報は、今後の業務における安全なAI活用を促す重要なものでした。
講師のコメント
講師の中島氏は、研修を通じて「AIを仕事のパートナーにする」との重要性を強調しています。生成AIは決して難しい技術ではなく、実務に役立てるために少しずつ取り入れて自分に合った使い方を学ぶことが大事だと語りました。導入はただツールを加えるだけでなく、使用する人が育ってこそ意味があります。研修はその第一歩として位置づけられました。