地方企業のDXを加速するセミナーが長浜で開催！成功事例も紹介

2025年6月19日、長浜商工会議所が主催するデジタルトランスフォーメーション（DX）セミナーが開催された。
今回のセミナーには、株式会社リソグラの代表取締役、杉山満軌氏が登壇し、DXを活用した事業成長に向けた有益な考え方と手法を共有した。

DXの重要性と成果

杉山氏は、ITは単なる手段であり、最終的な目的は企業の成長であると強調した。約2時間にわたるセミナーでは、製造業、建設業、卸売業、サービス業など多岐にわたる業種の経営者やマネージャーたちが集まり、自社の課題解決について積極的に学ぶ姿が印象的だった。

セミナー内では、「4つのDX型」と「ROI判断」が特に注目を集めた。杉山氏は、企業がどの型で投資を行えば最も早く回収できるかをROI（投資利益率）を基準に見極めることの重要性を訴えた。参加者は、それぞれ自社の課題を横軸に、期待するROIを縦軸に置いたマトリクスに施策をプロットし、着手すべき業務を可視化するワークを通じて新たな視点を得た。

4つのDX型

1. 業務の効率化 - 定量的な目標設定が必要
2. 新規ビジネスモデルの創出 - 小さく試験し、成功を確認する
3. サービスの向上 - 顧客満足度を高めるための分析
4. データ活用の推進 - 膨大なデータを如何に生かすかが鍵

杉山氏は、「特に業務改革を目指す際には、数値で明確に課題を定義することが成否を分ける」と話し、その後のシステム開発においてもこの考え方が不可欠であると述べた。

成功事例の具体例

参加者の関心を引いたのは、杉山氏が伴走した企業の成功事例だった。
実際のビフォー・アフターを示すデータを基に、様々な業種においてどのような成果が上がったのかを具体的に掘り下げた。

- ハウスメーカーの事例: 自社開発した業務効率化システムを他社に外販し、収益を上げる成功モデルを構築。
- 外壁塗装会社のLINE戦略: 小規模な投資で大きな効果を得た成功事例。この企業は、LINEを活用し顧客との接点を増やした。

参加者の反応と気づき

セミナー終了後の参加者からは、リアルな感想が寄せられた。

- 卸売業のリーダーは、「Excel管理が崩壊寸前のERP事例に共感した」と話し、社内での議論に持ち帰る姿勢を示した。
- 個人事業主のヘアサロン経営者は、「電話予約にかかる時間を自動化できた例に刺激を受け、自分でも試せる具体的な策が思いついた」と語った。
- 外壁塗装の営業マネージャーは、参加後に杉山氏に名刺を渡し、個別相談を希望したという。

まとめ

今回のセミナーは、課題を数字で捉え、ROIを基盤にしたDX手法と実際の成功例が参加者に専用の学びを提供した。多くの企業にとって、業務の効率化を通じて得た資金を戦略的に次の施策に振り向けることが、現実的な成長戦略となるであろう。このセミナーは、地方企業がDXを推進するための大きな一歩になることが期待される。