医療機関へのサイバーセキュリティ対策強化
近年、医療業界におけるサイバー攻撃のリスクが高まっており、電子カルテの停止や診療中断といった深刻な事態がしばしば報告されています。このような状況に対応するため、株式会社SYNCHROは2025年11月に「CyLeagueサイバーレジリエンス・パッケージ」を提供開始することを発表しました。このサービスは、サイリーグホールディングス株式会社とS&J株式会社との共同開発によるもので、医療機関に特化したセキュリティソリューションとして位置付けられています。
サービスの目的と背景
サイバー攻撃が医療機関を狙う一因としては、診療の継続が重要視されているため、攻撃者の格好のターゲットとなっている点が挙げられます。具体的には、サイバー攻撃によって電子カルテが数か月間使用できなくなる事例などは、患者の生命と地域医療に直結する重大な社会問題です。これを受けて、厚生労働省もBCP(事業継続計画)の策定を推奨しており、医療機関にとってはセキュリティ対策の重要性が増しています。特に、BCPを策定している病院が多数存在していますが、実際に訓練を行っているのは4割未満の現状にあります。
新たなサービスのフレーム
この新しいパッケージは、医療機関がサイバー攻撃やシステム障害から診療を継続できる体制を構築することを目的としています。具体的には、次のような平時のサポートが提供されます:
- - 定期的なセキュリティカルテの作成と更新アドバイス
- - 年4回の状況確認と脅威インテリジェンスの提供
- - 月次での自動脆弱性診断とレポートの発行
- - 隔離型ストレージによるオンラインバックアップサービス(日次)
有事には、事前契約により即時着手できるインシデント初動対応支援や、外部専門家による復旧プロセスのサポートが行われます。これにより、医療機関は迅速な対応が可能となり、患者の安全を確保することができます。
サービスプランと価格
この「CyLeagueサイバーレジリエンス・パッケージ」はエントリープラン265万円、スタンダードプラン365万円(ともに税別)という価格で提供され、各医療機関のニーズに応じた選択肢が用意されています。
医療業界への期待
サイリーグホールディングスは、信頼できるパートナーとの協力を通じて、医療機関向けのセキュリティソリューションを拡大していく方針です。未来に向けて、医療機関の診療継続を支え、日本のサイバーセキュリティレベルを向上させることが期待されています。
会社概要
株式会社SYNCHROは2001年に創業し、独自に開発した「KATABAMI Series」によるサイバーセキュリティサービスを展開しています。また、サイリーグホールディングス株式会社はM&Aや業務提携を通じて、セキュリティの強化を図っており、この分野における企業の成長と発展を支援しています。先進的なセキュリティ対策が求められる中、医療機関向けの新たなサービスは、その理念と使命を具現化する重要な一歩となるでしょう。
結論
今後も医療機関におけるサイバーセキュリティ対策はますます重要となってきます。「CyLeagueサイバーレジリエンス・パッケージ」は、その一助となることで、患者の健康と地域医療の安定を守る役割を果たすことが期待されています。