副業市場の未来を展望する「HiPro Direct」の2024年度分析と予測
副業・フリーランス人材のマッチングプラットフォーム「HiPro Direct」を運営するパーソルキャリア株式会社が、2024年度の副業市場に関するデータ分析を発表しました。この分析は、2024年4月1日から2025年2月28日までに「HiPro Direct」に登録された案件や副業人材のデータを基に行われています。
2024年度 副業市場の概況
コロナ禍によるリモートワークの普及は、個人が副業に対する関心を高めるきっかけとなりました。2024年度においてもこの傾向は続いており、2025年2月時点での総登録者数は前年同月比で198%という大幅な増加を記録しました。また、総登録案件数も前年同月比で299%に達しています。これは、企業にとって副業人材のニーズが高まっていることを意味しています。しかしながら、1案件当たりの副業人材の登録数は平均6.4人であり、依然として競争が激しい状況が続いています。このことからも副業希望者と企業の間には大きなギャップが存在していることがわかります。
副業案件の傾向と解説
2024年度の副業案件を職種別に見ると、「営業・販路拡大」が1位、「マーケティング/PR」が2位、「新規事業開発/事業企画」が3位にランクインしました。これは、企業が市場において競争力を維持・向上させるためのニーズが高まっているからです。特に多様化する消費者のニーズに応えるためには、柔軟なマーケティング戦略が不可欠です。
業種別では、「IT・通信」が急成長を遂げ、1位にランクインしました。デジタル化やDX化の進展が進む中で、IT関連のスキルを持つ副業人材の必要性が増しており、その受け入れが進んでいます。また、「人材サービス・アウトソーシング・コールセンター」が2位、3位は「建設・プラント・不動産」でした。特にこの業界では、2025年問題という人材不足の懸念が影響しています。そこで、建設業界にも副業人材の導入が進んでいます。
副業人材を活用する企業の特徴
地域の中小企業やスタートアップによる副業人材の活用が顕著に増加しています。これらの企業は、労働力不足や組織の課題に対処するために副業人材を積極的に活用するようになっています。また、副業人材を短期的に活用するだけでなく、中長期的にプロジェクトに参画させるケースも増えてきています。様々なニーズに応じた使い方が見出され、短期間の活用から長期的な契約につなげる動きも広まっています。
2025年度 副業市場予測
2025年度における副業市場は、さらなる地域企業やスタートアップによる活性化が予想されています。これらの企業は人材確保が事業成長において重要な要素となり、副業人材の活用が進むでしょう。特に、個人の視点からは「興味」や「やりがい」を求める傾向が強まり、これによって新たなマッチングが生まれる可能性があります。
また、規模に関係なく副業の活用が広がっていくもので、企業の外部からの人材受け入れが進みます。短期間の活用から、長期的なプロジェクトへの参加を促す機会が増加すると見込まれます。
解説者プロフィール
「HiPro」編集長の鏑木陽二朗氏は、2001年に株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア)に入社し、採用支援やキャリア支援業務を経験。その後、経営支援サービスを立ち上げ、組織を牽引しています。
副業・フリーランス人材マッチングプラットフォーム「HiPro Direct」について
「HiPro Direct」は、企業と副業・フリーランス人材をつなぐマッチングサービスです。人々の働き方が変化していく中で、新しいタレントシェアリングの仕組みを目指しています。地域経済の活性化や新たなビジネスモデルの構築に寄与することが期待されています。