つくば市での保育ICTラボ事業
こども家庭庁が推進する「保育ICTラボ事業」が、つくば市の社会福祉法人知覧中央福祉会 東岡保育園で始まります。株式会社コドモンがこのプロジェクトに参画し、先進的な保育ICTモデル構築を目指します。具体的には、2025年7月から2026年3月までの期間に、新たな機能を導入し、より良い保育環境を提供する取り組みです。
保育ICTラボ事業とは
この事業は、こども家庭庁の助成のもとで、保育におけるICTの導入と利活用の効果的なモデルを創出し、全国の魅力発信を図ることを目的としています。すでに、茨城県つくば市の東岡保育園では、保育・教育施設向けのICTシステム「CoDMON」を導入し、業務の効率化を実現しています。
新機能の導入
今回の取り組みでは、新たに3つの機能が導入されます。
1.
せんせいトーク:職員同士のコミュニケーションを円滑にするためのアプリで、個別トークやグループチャット、全体への一斉通知が可能です。シフト制で働く職員同士の迅速な情報共有とセキュリティの向上を図ります。
2.
ココリン:子ども見守りセンサーで、ウェアラブルIOT技術を用いています。子どもがうつぶせ寝をしているかや、呼吸の状態をリアルタイムで把握し、保育者の負担を軽減します。
3.
せんせいフォト:保育AIを利用した写真整理ツールです。子どもの写真を自動的に分類し、保育者の手間を省きます。
これらの先進的な機能は、保育士が一人ひとりの子どもに寄り添う保育を実現するための大きな助けとなります。
東岡保育園の理念
東岡保育園は2024年4月に開園し、「心やさしく、たくましく、感受性豊かに、生きる力を育てる」という理念のもと、開園当初からICTの導入を積極的に行っています。園長の上之涼子氏と工学博士の小峰恵子副園長は、保育士と子どもたちとの関係を深めるための環境を整えることに尽力しています。
つくば市での取り組みの特徴
つくば市では、ICT未導入の園と高活用の園とのモデルを設定。詳細な記録を残すことで、効果や利用実態の分析を行います。また、ICTに不安を感じる保育施設向けの巡回支援や相談窓口、動画研修の提供も行っており、地域内外への実践事例の展開も計画しています。
将来の展望
今後、つくば市の2か所、大阪府豊中市の1か所の合計3施設での実践を通じて、実績をもとに3本の取材記事と動画を作成予定です。これにより、保育ICT化に関心を持つ全国の保育施設や地方自治体に対して、具体的な効果や課題を発信していきます。
コドモンのビジョン
コドモンは「子どもを取り巻く環境をテクノロジーの力でよりよいものに」というミッションを掲げています。「CoDMON」システムの導入を通じて、保育士の業務負担を減らし、保護者とのコミュニケーションを円滑にし、質の高い保育の実現を目指しています。また、保育施設向けのECサービスやオンライン研修プログラムなど、様々なサービスを展開し、「子どもの育ちや学びを社会全体で支える」というビジョンを実現するため、全力を尽くしています。
この「保育ICTラボ事業」は、子どもたちの未来だけでなく、保育士の働きやすい環境づくりにも貢献する取り組みとして注目されています。