幕末の交流を深める特別展「松平春嶽と勝海舟」
福井市立郷土歴史博物館は、2023年7月19日から9月7日まで、特別展「松平春嶽と勝海舟」を全国で初めて開催します。この展覧会は、幕末の激動に立ち向かう二人の偉大なリーダー、松平春嶽と勝海舟の関係を深く探求しています。
幕末の重要人物、その足跡をたどる
松平春嶽は、越前松平家の第16代藩主として知られ、徳川将軍家の一門にあたります。一方で勝海舟は、初代将軍家康の時代から幕府に仕える幕臣で、名門の直参勝家の当主です。両者は共に、徳川家との強固な結びつきを意識しながら、幕末の混乱を収拾する役割を担いました。
彼らは、ペリー来航による新たな局面を迎えた幕府の政策を改革する「公議政体」派の一員として、共に行動しました。この考え方は、後の志士たち、西郷隆盛や坂本龍馬に強い影響を与えたことが知られています。特に、春嶽と西郷との連携は慶応4年の江戸城明け渡しにおいて重要な役割を果たしました。
明治時代における友情
明治時代に入っても、春嶽と海舟は互いに強い信頼と尊敬を持ち続けました。春嶽は、明治期に執筆した回顧録「逸事史補」で海舟を「徳川家第一の功臣」と称賛しています。また、勝海舟は幕末の「海舟日記」において春嶽への感謝の意を深く表明しています。「小拙一世を以て報ずべからず」という言葉は、二人の友情の深さを物語っています。
展示内容と見どころ
この特別展では、春嶽と海舟の交流を示す書簡や詩、贈呈品など数多くの資料が紹介されます。例えば、松平春嶽の肖像や勝海舟の和歌が詠まれた作品、さらには重要な歴史的資料が展示され、来場者は二人の関係の一端を垣間見ることができます。
また、展覧会に伴い、関連イベントも開催されます。8月16日には、当館学芸員による講座が予定され、展示解説のギャラリートークは7月20日、27日、8月31日、9月7日の計4回行われます。これらのイベントも合わせて、多くの人が歴史の深さを楽しみ、学ぶことができる貴重な機会です。
開催概要
- - 会期: 2023年7月19日(土)~9月7日(日)
- - 開館時間: 9時~19時(入館は閉館30分前まで)
- - 休館日: 8月18日(月)~21日(木)
- - 観覧料: 一般700円、高・大生500円(中学生以下、70歳以上、障がい者とその介助者は無料)
- - 主催: 福井市立郷土歴史博物館(福井県福井市宝永3丁目12-1)
- - 展覧会WEBサイト: 福井市立郷土歴史博物館
この特別展は、幕末という時代が育んだ人々の交流や思いを感じることができる絶好の機会です。ぜひ足を運んで、その歴史の深さに触れてみてはいかがでしょうか。