JR西日本がバーチャルPPA契約を締結
2025年3月24日付けで、西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)とコスモエコパワー株式会社(コスモエネルギーグループの一員)は、日本初のバーチャルPPA(発電量に基づく環境価値の直接購入契約)を締結しました。この契約は、今後の再生可能エネルギー利用拡大に向けた重要なステップとなります。
バーチャルPPAとは?
バーチャルPPA(Power Purchase Agreement)は、発電所で生成される物理的な電力ではなく、その電力によって得られる環境価値を購入する契約形態です。これにより企業は、持続可能な発電源から得られる環境価値を直接調達できるようになります。
新たな制度改革の背景
これまでのFIP制度(フィードインプレミアム)では、2022年以降に運転開始する発電所のみが直接取引されていましたが、2025年4月からの制度変更により、その制限が撤廃されました。その結果、2021年4月に運転を開始したコスモエコパワーが運営する中紀ウィンドファームの環境価値を受け取る契約が実現したのです。
環境価値の受け取り
この新たな契約により、JR西日本は中紀ウィンドファームから年間約4,000万kWhの環境価値を非化石証書として受け取ります。これは約17,000トンのCO2排出量を削減する効果が見込まれ、実に約7,000世帯分に相当します。
今後の展望
両社は2024年8月に再生可能エネルギーのさらなる拡大に関する基本合意書を締結しており、今後もカーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを加速させていく方針です。
中紀ウィンドファームの概要
- - 発電所の名称:中紀ウィンドファーム
- - 所在地:和歌山県広川町、日高川町、有田川町にまたがる白馬山脈尾根部
- - 設備能力:48,300kW
この契約締結によって、JR西日本は再生可能エネルギーの利用促進に大きく貢献することが期待されています。今後も企業の持続可能性が求められる中、こうした取り組みは一層重要になってくるでしょう。