美容外科における新たな研究成果が発表されました。TCB東京中央美容外科の奥村公貴医師が、全国106,639例にわたって糸リフトに関する大規模な調査を行い、その結果を国際美容外科学術誌『Aesthetic Plastic Surgery』に発表しました。この研究は、2020年から2024年の間の糸リフト施術の変遷に着目し、糸の材質や年齢層による施術の選択傾向を明らかにしました。
研究の背景
糸リフトは、切開を伴わない若返り治療として、多くの患者に支持されています。この施術では、一般的にポリジオキサノン(PDO)やポリカプロラクトン(PCL)の吸収糸が使用されており、施術の結果や選ばれる糸の種類には年齢や性別による違いが存在します。しかし、これまでのところ、臨床実態に関する詳細な全国規模の調査はなされていませんでした。
研究の目的と方法
奥村医師の研究は、糸リフト施術の進化を定量的に把握することを目的とし、対象となったデータは東京中央美容外科グループの104院で施行された106,639名の施術を元にしています。データ分析には多変量線形回帰分析や時系列解析が用いられ、糸の材質、年齢、性別、使用本数などが検討されました。
研究は二元配置分散分析などを用いて行われ、その結果、特にモノセラピー群において術後合併症の発生が高いことが明らかになりました。おもしろいことに、コンビネーション群では客観的合併症が一例も認められず、両群の間には有意な差が見られました。このことは、糸リフト施術における治療方法の選択が重要であることを示しています。
研究の意義
この研究は、糸リフト施術が年齢や患者の属性に応じてどのように進化し続けているのかを示す重要な証拠となります。個別化された治療戦略の必要性が高まる中で、今後の美容外科分野において、このような大規模な研究から得られた知見は、より良い臨床判断を促進するための指針となることが期待されます。
TCBはこれまでも多くの学術研究を行っており、数々のエビデンスをもとに患者が安心して施術を受けられるよう努めています。この新しい研究は、スレッドリフト施術の実態を科学的に明らかにした初めての大規模なエビデンスとして、専門家の間で注目を集めています。
今後の展望
今後もTCBの奥村医師は、患者のニーズに応じた新しい治療法の提案や、最新の研究成果をもとにした治療法の改善に取り組んでいくことでしょう。美容外科の世界は日々進化しており、患者の美しさと快適さを追求するために、さらなる研究の深化と新たな技術の導入に期待が寄せられています。ぜひ今後の活動にもご注目ください。