KAICO株式会社、5.4億円の資金調達でベトナム市場に挑む！

KAICO株式会社がシリーズBラウンドで5.4億円を調達

福岡市西区に拠点を置くKAICO株式会社は、シリーズBラウンドにおいて5.4億円の資金を調達しました。既存の投資家である伊藤忠テクノロジーベンチャーズと東京センチュリーに加え、新たにアグリビジネス投資育成、DGインキュベーション、肥銀キャピタル、佐銀キャピタル、JMTCキャピタルの5社が支援に加わり、合計7社が引受先となりました。この資金調達により、累計エクイティ調達金額は13.9億円に達しました。

資金使途と期待される効果

今回調達した資金は、ブタ用飼料添加物である『KAICO Powder』の事業化に主に使用されます。この製品は、ブタの免疫力をサポートし、健康維持を手助けします。特に、KAICO Powderは常温で保管・流通が可能で、飼料に混ぜて投与するだけの手軽さが特徴です。この点で、従来のワクチン注射に比べ、必要な資材を減少させ、作業時間を約90%も削減できることが期待されています。

畜産現場における労働負担軽減やアニマルウェルフェアへの配慮が求められる今、KAICO Powderは生産者から多くの期待を寄せられています。

ベトナム市場への進出

KAICO Powderは、ベトナム農業農村開発省から飼料添加物としての登録を取得し、現地での販売が開始されました。これは、KAICOのが世界市場へ進出する第一歩です。今後はアジア地域を中心とした他国への展開も視野に入れています。

製品ラインナップは、ブタのみならず、養殖魚や愛玩動物向けの経口投与可能な製品も開発中です。すでに行われている実証実験から、事業化に向けた行動を進めています。

持続可能な材料供給

KAICO Powderの製造につながる原料である蚕の調達先確保も重要な取り組みです。KAICOの成長により、日本の養蚕業の復活が期待されています。さらに、桑の植樹面積が増え、CO2削減にも寄与することが可能です。

KAICOは、技術力を武器にアニマルヘルスに貢献しながら、畜産業者の生産性向上や地球環境の保全にも寄与していきます。

投資家の期待

伊藤忠テクノロジーベンチャーズの取締役阿部剛士氏は、「KAICO社のユニークな技術が、世界中の健康問題をサステナブルに解決することを期待しています」とコメントしています。また、東京センチュリーの川久保肇部長も、「KAICO社の技術が様々な製品開発に貢献することを期待しています」と述べています。

新規投資家からも、「KAICOの技術は、家畜の防疫対策に革命的な影響を与える可能性を秘めています」との評価が寄せられ、今後のさらなる成長が期待されています。