ニューノーマル時代のリーダーシップを考察した出版イベント
2024年4月15日、東京人形町に位置する「人事図書館」で、株式会社Trustyyleの主催による出版記念イベントが行われました。このイベントでは、著書『ノーノーマル時代を生き抜くリーダーシップの教科書』の著者である山本紳也氏が登壇し、リーダーに必要な思考や行動指針について述べました。
イベントの背景と内容
山本氏は、30年以上にわたり国内外の企業で組織改革やM&Aに携わってきた実績を基に、これからのリーダーシップに求められる10のコンピテンシーについて解説しました。著書には、変化の速い時代に適応するための重要な要素が盛り込まれており、特に「好奇心」と「ビジョン」が強調されました。
変化に応じたリーダーシップの重要性
山本氏は、「バブル期の常識では通用しない」と述べ、従来の成功体験に頼る意思決定に限界があることを指摘しました。彼は、現代のリーダーは古い慣習に縛られず、アジャイルな思考を持つべきだと語り、具体的には「段階的にアクションをしつつ学び続ける姿勢」が重要だと強調しました。企業内での自律的な思考と心理的安全性の確保が、イノベーションを生むカギになると述べています。
10のコンピテンシーの解説
山本氏が提唱する10のコンピテンシーの中で特に注目されたのは、
- - 好奇心:異なる考えや背景を持つ他者に対して興味を持ち、理解を深める姿勢。
- - ビジョン:最終的な目標や存在意義を明確に持つこと。
また、具体的な課題に向き合いながら正解を模索する姿勢が、今後のリーダーにとって不可欠であるとしました。「メンバーのやる気を高めるには、何故それを行うのかを明確にすることが重要です」と山本氏は述べ、画一的なトップダウンの指示ではなく、個々の声を大切にする傾聴が根底に必要だと語りました。
ノーノーマル時代の楽しみ方
本イベントでは「正解のない時代において、チーム内の好奇心を引き出し、リーダーは場をデザインする役割を持つべき」というメッセージが何度も繰り返されました。参加者からは、「人事の仕事の新たな定義を再考する必要がある」「ノーノーマル時代のリーダーシップを学べた」との感想が寄せられ、山本氏の言葉が多くの参加者に響いたことがうかがえました。
登壇者プロフィールと人事図書館について
山本氏は、株式会社HRファーブラの代表を務め、多数の企業でのコンサルティング経験を持つ専門家です。彼の教授経験も豊富で、各大学で人事関連の講義を行っています。
また、「人事図書館」は、2024年に東京・人形町にオープンした新しいコミュニティです。2500冊以上の人事関連書籍を有し、600名以上の会員がいるこの場所では、仲間と共に学びあいながら未来を切り開く活動が行われています。公式ウェブサイトでは、イベント情報や新刊の案内も発信されています。
このイベントを通じて、多くのリーダーたちが自身の思考を深め、変化を楽しむ組織作りについて考えるきっかけを得たことでしょう。今後のリーダーシップの在り方について、大きな課題とヒントがもたらされた印象深い一日でした。