脱炭素への意識調査結果から見える現実と課題

レジル株式会社が実施した、脱炭素に関する生活者意識調査の結果が発表されました。この調査は、2024年8月に20代から50代の男女500名を対象に行われ、脱炭素への関心と日常生活における取り組みについての実態が明らかになりました。

調査結果概要

調査によると、生活者の85%が「脱炭素」という言葉を認知しているものの、実際には自分に関係があると感じている人は全体で17%以下でした。また、日常生活の中で積極的に脱炭素を意識していると答えた人は22%に留まり、具体的な行動としては「節電」や「リサイクル」、「エコバッグの利用」などが挙げられました。

一方で、多くの人々が脱炭素実現に向けて何を始めればいいのか分からないと感じていることもわかりました。特に、手軽に取り組めそうな方法がわからないという声が63%を占める結果に。これは、脱炭素への理解促進や具体的な行動を示す情報発信に課題があることを示しています。

認知度と理解度

「脱炭素」という言葉を知っているが意味をよく理解していないという人が40%を超え、単に言葉を聞いたことがあるだけの人も14%存在しました。興味深いことに、20代は他の世代に比べて「言葉の意味をよく理解している」との回答が多いにもかかわらず、そのうち約80%が「自分とは関わりを感じない」と回答している点です。これは、若い世代への教育と意識醸成において、大きな課題を示唆しています。

実際の行動

調査では、具体的な行動例として「電気自動車に乗り替えた」「リサイクル素材を使った商品を選んでいる」「エコバッグを利用する」といったコメントが寄せられています。こうした取り組みは、まだまだ少数派であることや、多くの人が自発的に行動することの重要性を示しています。

以下は調査参加者の実際の意見です:

- 「電気自動車に乗り替えた」（20代・女性）
- 「リサイクル素材を使ったパッケージの商品を選んでいる」（30代・男性）
- 「エコバッグを使っている」（40代・女性）
- 「節電を意識して生活している」（40代・男性）
- 「太陽光発電や蓄電池を活用している」（50代・女性）

行動しない理由

さらに、脱炭素を意識していない理由として「何をすれば良いかよく分からない」との回答が53%に達しました。この結果から、日常的に実施可能な簡単な取り組みの普及が必要だと考えられます。特に、20代の若者は「脱炭素につながる商品やサービスが身近にない」と感じており、環境への意識は高くても、実行に移すための選択肢が不足している状況です。

結論

このように、脱炭素への意識は高まりつつありますが、実際にはその意識が行動に結びついていないことが明確になりました。レジル株式会社は、これらの調査結果を踏まえ、脱炭素を難問にしないことを目指し、社会課題解決に取り組んでいく方針です。分かりやすい情報発信とともに、脱炭素を実現するサービスの開発を進めていくとのことです。