高専生がビジネスアイデアを競い合う「第2回高専起業家サミット」レポート

第2回高専起業家サミットが東京で開催

2025年2月24日と25日の両日、東京都の一橋講堂で「第2回高専起業家サミット」が開催されました。このイベントは、全国の高等専門学校から36チームの学生たちが一堂に集まり、それぞれのビジネスプランを発表する場です。主催は独立行政法人国立高等専門学校機構と、月刊高専を運営するメディア総研株式会社です。

高専起業家サミットとは？

高専起業家サミットは、起業を志す高専生が集まり、そのアイデアを発表し、交流するイベントです。このサミットは「高専スタートアップ支援プロジェクト」の一環として、高専生が実際のビジネス展開に向けた活動やつながりを広げることを目的としています。学生たちは発表を通じて、志を同じくする仲間や、支援を求める企業とのネットワークを築いていきます。

開会式と交流会

24日には開会式と交流会が行われました。開会式では、高専機構の谷口理事長が挨拶をし、「社会に価値を提供するためのチーム作り」と「協力の重要性」について語りました。特に、仲間を見つけることが新しいアイデアを生むためには欠かせないと強調しました。

交流会では、参加者が一言PRを行う時間が設けられ、企業のメンターや審査員も参加。フレッシュなアイデアと情熱が交わる瞬間が数多く見られました。

ビジネスプラン発表

25日には「ソーシャルドクター部門」と「イントラプレナー部門」の2部門に分かれ、各チームが準備したビジネスプランのピッチ発表が行われました。両部門の特徴は以下の通りです。

- ソーシャルドクター部門: 社会課題の解決に向け、新しいアイデアを具現化することを目的とする。医療、福祉、教育などの広範な分野にわたって挑戦します。
- イントラプレナー部門: 既存の組織内から新たなビジネスを創出する人材の発掘と支援を目指します。

発表中、審査員からの質問も活発に行われ、各チームは自身のプランの実現可能性を示すために、データや根拠を用いて応答しました。

審査と受賞結果

このサミットでは、沖縄高専のチーム「Bellearc」がソーシャルドクター部門の最優秀賞を受賞しました。彼らの提案は、海洋プラスチックごみを利用したコスメケースと、合成マイカを使用した化粧品の事業化を目指すもので、環境問題と倫理的な課題の双方に配慮されています。

また、イントラプレナー部門では仙台高専の「杜の都 Oral Wellness」が最優秀賞を獲得しました。歯磨きの評価ツールを介護業界や子供の歯磨き教育に役立てることで、社会に貢献するアイデアです。

他にも、協賛企業からの特別賞やオーディエンス賞も用意され、多様なアイデアが評価されました。

まとめ

第2回高専起業家サミットは、高専生の優れたアイデアと起業意欲を感じることができる貴重な機会でした。参加学生たちは、新しい技術と知識を融合させて、新たなビジネスの可能性を見出しており、今後のさらなる展開が期待されます。高専生たちの挑戦は、私たちの社会にも大きな影響を与えることができるでしょう。

最終的に、審査委員長の若原氏が、全体への激励の言葉で締めくくりました。高専の卒業生としての誇りを持ちながら、新たな世代のクリエイターたちの成長を見守りたいと思います。