睡眠時無呼吸改善
2019-11-14 09:30:05

睡眠時無呼吸を改善する「横向きベルト」の開発とその可能性

睡眠時無呼吸を改善する「横向きベルト」の開発



睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、生活習慣病の進行を招く危険な状態ですが、適切な治療を受けない患者も多く存在します。なかでも、最も一般的な治療法であるCPAP(持続陽圧呼吸療法)は、多くの患者にとって負担が大きく、約30%の人々が途中で治療を中止しています。こうした状況に対処するため、SASネットという睡眠時無呼吸症候群の患者の会が、「横向きベルト」を新たに開発しました。

CPAP療法の概要とその課題



CPAP療法とは、鼻に装着するマスクを介して圧力をかけ、気道を確保する治療法です。しかし、使用中の不快感や、マスクからの空気漏れ、鼻の乾燥といったデメリットがあるため、一部の患者は継続的に使用することが難しい状況にあります。これにより、治療を受けないことで、無呼吸症状が悪化するリスクが常に潜んでいます。

横向き寝の重要性



睡眠時無呼吸症候群の改善策として、体位療法が注目されています。これは、上向きで寝ると舌の根が気道を圧迫し、無呼吸症状を悪化させるため、横向きで睡眠をとることで呼吸を改善しようという考え方です。しかし、眠っている際に体勢を制御するのは非常に難しいものです。そこで、横向きベルトを使ってこの課題を解決しようと考えられたのが、この新しい装置です。

横向きベルトの開発と試験



日本の新宿区に位置する駒ヶ嶺医院の睡眠呼吸センターで行われた試験によると、体位センサーとバイブレーターを組み込んだ「横向きベルト」を装着することで、被験者たちの睡眠時の体位が大きく改善されました。具体的には、装着すると上向きでの就寝時間は大幅に短縮され、横向きでの就寝時間は2時間から5時間以上に増加したことがわかりました。

試験の結果は、日本睡眠学会や医学雑誌「睡眠医療」においても発表されています。これにより、CPAP療法を中止した患者にとって新たな選択肢としての可能性が広がっていることを示唆します。

横向きベルトの使用方法



この「横向きベルト」は、使用方法が非常にシンプルです。就寝前にベルトを装着し、スイッチをオンにするだけで、自動的に体位を感知します。上向きに寝るとセンサーが作用し、バイブレーターが軽く震えることで、自然に横向きになります。すでに横向きになってしまえば、バイブレーターは停止し、安心して眠ることができます。

SASネットの活動と今後の展望



NPO法人睡眠時無呼吸症候群ネットワークは、2008年から患者の啓発やサポートを行ってきました。同法人は、治療方法の一環としてこの横向きベルトを推奨しており、今後も活動を通じてさらなる研究や情報発信を続ける意向です。患者のニーズに応えるため、今後の展開が非常に楽しみです。

横向きベルトの購入は、バイオ薬品株式会社のネット通販で行うことができます。患者の負担を軽減し、安心して睡眠をとるサポートとなることが期待されます。

会社情報

会社名
NPO法人睡眠時無呼吸症候群ネットワーク
住所
東京都台東区寿1-2-5梶浦ビル6階
電話番号

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