新たな観光案内の形:AIが支える渋谷の未来
東京の渋谷は、訪日外国人旅行者に人気の観光地として知られており、連続して訪問先の1位に輝いています。近年の訪日外国人の急増に伴い、観光案内所の役割はますます重要になっています。しかし、現在の観光案内所では多くの訪問者が似たような質問をするため、スタッフが地域の魅力や文化体験について詳しく案内する時間が限られるという問題を抱えています。加えて、最賃の上昇に伴い、スタッフの採用や教育の面でも課題が生じています。これらの問題を解決するため、
東急株式会社と
株式会社Nextremer、
渋谷区観光協会が連携し、AIを活用した観光案内サービスの実証実験を開始します。
AIによる観光案内サービス
この取り組みは、2025年10月27日から12月14日までの約2か月間、渋谷の観光案内所「SHIBUHACHIBOX」と「WANDERCOMPASS SHIBUYA」で行われます。実施されるサービスは、Nextremerが提供する対話型AIサービス「AIミナライ」を用いたもので、訪問者はQRコードを利用して自身のスマートフォンからAIチャットボットにアクセスし、質問を入力することができます。AIは、その質問に応じた回答を提供し、必要に応じてマップも表示します。
このAIによるサービスは、従来のモデルに比べ、観光案内の効率性を向上させることを目的としています。AIは定型的な質問に迅速に対応することで、スタッフが地域の魅力や文化体験にさらに注力できる環境を構築します。そして、AIが蓄積したデータをもとに、接客のノウハウも徐々に向上させる狙いがあります。
期待される効果
この取り組みにより、観光案内所は訪日外国人旅行者の多様なニーズに応える新たな価値の提供を期待しています。対応言語は日本語、英語、簡体字、繁体字、韓国語と多岐にわたり、毎日8時から24時まで対応する予定です。AIによる接客データの蓄積と共有によって、より質の高いサービスが実現されることが見込まれています。
観光案内所の特徴
- - SHIBUHACHIBOXは、渋谷区観光協会が運営しており、観光情報案内や興行チケットの販売などを行っています。営業時間は10時から20時。
- - WANDERCOMPASS SHIBUYAは、渋谷駅地下1階に位置し、観光案内に加えて手荷物の一時預かりやWi-Fiルーターのレンタルなど、多様なサービスを提供しています。こちらの営業時間は10時から19時です。
まとめ
渋谷におけるAIの導入は、観光業界にとって革新的な挑戦であり、訪問者にとっても便利で魅力的なサービスを生み出すことが期待されています。この実証実験が成功すれば、他の観光地にも波及し、国内観光のさらなる発展につながるかもしれません。多くの訪日外国人が快適に渋谷を楽しむための新しいステップが、今始まります。