アリババクラウド、2024年パリ五輪全会場の電力消費最適化へ！エネルギー・エキスパート導入で持続可能な大会実現を目指す

アリババクラウド、パリ五輪の電力消費最適化へ！エネルギー・エキスパート導入で持続可能な大会実現を目指す

アリババグループのデジタルテクノロジーとインテリジェンスの中核を担うアリババクラウドは、2024年パリ五輪（以下「パリ大会」）の全35競技会場における電力消費の測定と分析を支援するため、データ主導型の持続可能性ソリューション「エネルギー・エキスパート」を導入すると発表しました。

このソリューションは、競技会場の電力消費や需要に関する情報をクラウドベースのプラットフォームに統合することで、より正確な分析と効果的な電力消費計画を可能にすることを目指しています。

会場全体の電力消費を可視化し、最適なエネルギー管理を実現

「エネルギー・エキスパート」は、パリ大会の全35競技会場に適用され、IOC（国際オリンピック委員会）は、オリンピック・パラリンピック期間中の電力消費量、電力需要の変動、会場の収容能力、競技関連情報、現地気象状況など、エネルギー関連データをわかりやすく集約したダッシュボードで確認できます。

アリババクラウドが提供するディープラーニングベースのAIモデルを活用することで、このソリューションは、より正確な分析を提供し、会場固有の予測や電力浪費を最小限に抑えるための電力需要の最適化などの提案を行うことを目指しています。

リアルタイムデータ収集で、より精度の高い分析を実現

さらに、より包括的なデータセットを収集するため、100台のスマート電気メーターが競技会場の一部に設置され、会場内の運営スペースレベルでのリアルタイムの電力消費量が収集されます。例えば、競技場、放送・メディア作業エリア、技術作業スペース、特定の設備、飲食設備、その他一時的な作業エリアや設備など、さまざまなスペースからのリアルタイムの電力消費データが含まれます。

収集されるデータセットは、1日の異なる時間帯の温度条件やエリアのリアルタイムの占有率を考慮したものになります。これらの詳細なデータセットを収集することで、大会組織委員会は、パリ大会のエネルギー消費データを参照する際に、より正確な状況を把握することが可能となります。

過去の大会データ分析で、将来の大会におけるエネルギー効率向上に貢献

大会のエネルギー消費動向をより包括的に分析できるよう支援するため、2012年ロンドンオリンピック、2018年平昌冬季オリンピック、2020年東京オリンピックなど過去の大会の電力データも「エネルギー・エキスパート」で分析することができます。

アリババクラウドインテリジェンス、バイス・プレジデント兼インターナショナル・インダストリー・ソリューションズ・ジェネラル・マネージャー、ウィリアム・シオン氏

「エネルギー・エキスパートは、最も注目度が高く、挑戦的な場である国際スポーツの世界で、その価値をさらに証明するでしょう。エネルギー・エキスパートが提供する洞察は、IOCと将来の大会がより持続可能なものとなるよう支援するソリューションの一部を形成します。」

競技会場以外でも、エネルギー消費最適化を支援

競技会場以外にも、「エネルギー・エキスパート」のAIによる推奨事項は適用され、アリババはパリ大会期間中に臨時展示会場でのエネルギー消費を最適化し、二酸化炭素排出量を最小限に抑えることに貢献しています。

例えば、シャンゼリゼ大通りにあるアリババ・ワンダーアベニューでは、二酸化炭素排出量を削減するため、持続可能な木製素材とリサイクル可能なスチールが会場の主要構造に使用されています。また、セミオープン設計の空間は、主に自然採光と換気を活用することで、エネルギー消費を最適化し、二酸化炭素排出量を最小限に抑えることに貢献しています。

スポーツイベントでの活用事例：2023年シンガポールオリンピックeスポーツウィーク

2022年6月に導入された「エネルギー・エキスパート」のスポーツイベントでの最初のアプリケーションは、2023年にシンガポールで開催された初のオリンピックeスポーツウィークでした。

このソリューションは、オリンピックeスポーツウィーク開催のために建設された仮設建築物からの二酸化炭素排出量を測定・分析し、イベントで使用される材料や設備の選択に関するデータ駆動型の洞察を得る目的で試用されました。エネルギー消費、廃棄物管理、看板、装飾の影響など、一連の測定基準が評価され、イベントで使用された数種類の材料や設備の相対的な影響を比較することが可能になりました。

スポーツ環境にとどまらず、幅広い業界で活用

スポーツ環境とアプリケーションにとどまらず、「エネルギー・エキスパート」は世界中の3,000社を超える顧客企業の事業活動と製品の炭素排出量の測定、分析、管理を支援しています。このソリューションは、実用的な洞察と省エネに関する推奨事項を提供し、顧客企業が持続可能な取り組みを加速できるよう支援します。

持続可能な大会実現に向けて、アリババクラウドの技術が貢献

アリババクラウドは、パリ五輪での「エネルギー・エキスパート」の導入を通じて、大会全体の電力消費を最適化し、持続可能な大会の実現に貢献していきます。これは、スポーツイベントにおけるデジタルテクノロジーの活用が、環境問題解決に大きく貢献できることを示す事例と言えるでしょう。

今後、アリババクラウドは、世界のさまざまな分野で、デジタルテクノロジーを駆使した持続可能な社会の実現を目指していきます。