最近、仕事と介護の両立に関する課題が、国内でますます注目を浴びています。まさに少子高齢化の進展に伴い、家族の介護をしながら働く「ビジネスケアラー」が増加している現状に、大日本印刷株式会社(DNP)と株式会社チェンジウェーブグループが手を組むこととなりました。両社は2024年8月に資本業務提携を結び、この分野での事業の拡大と支援を目指します。
日本の経済情勢は日々変化する中で、労働者の生産性を向上させることが求められています。しかし、介護をする側の社員は、家庭内の介護に追われ、生産性が低下するという厳しい現実に直面しています。経済産業省も、2030年までにビジネスケアラーの数が318万人に達すると予測しているため、この課題に対処するための策が急務となってきています。特に、「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」が2024年3月に発表され、企業への対応が期待されています。
DNPはその資本とネットワークを駆使し、介護支援と働き方改革の新しいモデルを提供していきます。具体的には、仕事と介護の両立を支援するプログラム「LCAT」を用いて、従業員の状態を可視化し、介護リスクに対するニーズを満たすサービスを開発します。これにより、企業は自身の人事部門でも活用できる支援策を得ることができ、ビジネスケアラーへのより良い支援が実現するでしょう。
また、DNPの全国的な営業ネットワークを通じて、チェンジウェーブの提供するさまざまなソリューションを広めていく狙いもあります。この提携により、両社はそれぞれの専門性を活かしながら、ビジネスケアラーが直面する多くの問題を解決するソリューションを共に提供していきます。
DNPの常務執行役員である千葉亮太氏は、「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する」企業理念のもと、社会課題に真摯に向き合っていく意気込みを示しました。加えて、介護による生産性の低下が企業や社会全体に悪影響を及ぼすと警告し、この提携が多くの働き方に好影響をもたらすと期待しています。
一方、チェンジウェーブグループの代表である佐々木裕子氏は、仕事と介護の両立を支援することこそが、これからの企業の重要な責務であると語り、「本提携によりビジネスケアラーに向けた解決策を共に生み出せることを嬉しく思う」とのコメントを寄せています。彼女は、労働市場のニーズと介護ニーズの同時発生を念頭に、DNPとの協力で革新的なソリューションを提供したいと考えています。
このように、DNPとチェンジウェーブグループの連携は、日本のビジネスパーソンが直面する重要な課題に対する解決の道を示すものです。高齢化の進展とそれに伴う働き方の変革が加速する中で、両社が手を携えて進む道が、より多くの企業や個人にとって有益な影響を持つことに期待が寄せられています。