地域の人材課題に応える「こうふHRBPラボ」始動！人材支援の新時代へ

甲府市に誕生した新たな支援体制「こうふHRBPラボ」

山梨県甲府市に、地域の人材課題に取り組む新たな組織「こうふHRBPラボ」が2025年9月に設立されます。この取り組みは、特に地方都市が抱える人材不足に対処することを目的としており、長田繁孝氏が代表を務めます。

近年、山梨県内の有効求人倍率が全国平均を上回る傾向にある一方で、若年層の都市部流出が進んでおり、結果として中小企業は採用難や定着率の低下に直面しています。こうした課題に対して、こうふHRBPラボは企業と求職者に対し、様々な支援を行うことになります。

HRリテラシーの重要性

「こうふHRBPラボ」の核となる考え方は、「HRリテラシー」という造語です。これは、採用や育成、さらには後継者への事業承継に必要な知識と実践力を意味し、企業内で持続的に人材を強化するための力を育てます。ただの外部委託を超えて、企業の現場に密着して行動を共にすることがこの取り組みの特徴です。

同組織はまず個人事業として運営をスタートし、年内には一般社団法人化を予定。しかし、初年度は特に「現場に入り込んで戦略と実務を同時に進める」支援を強調します。

地域に密着したサービス展開

「こうふHRBPラボ」は、中小企業に外部の人事専任者として機能します。企業文化や経営状況に合わせて、オーダーメイドの施策を設計・実行することが可能です。

企業向けの支援内容

- 地元企業との情報接点づくりと採用広報支援
- 採用戦略の策定と実務の伴走
- 求人票作成・発信の支援
- 社内の人材育成・評価制度の設計
- 後継者計画と事業承継支援

求職者向けの支援内容

- キャリア設計および企業マッチング
- 履歴書や職務経歴書の添削
- UIターン希望者のための地元就職サポート

共通する点として、企業と求職者を結びつける関係構築を重視します。また、多様な人々と地域との接点を広げることで、「関係人口」も支援します。

初年度の計画と展望

「こうふHRBPラボ」の活動は、初年度においては20社程度の企業へのヒアリングを行い、現在の課題把握を図ります。その上で、製造業やサービス業を中心に試験的なマッチング支援を始め、実施と検証を重ねて行く予定です。また、ビジネススキル講座も各種テーマで展開し、企業が持つ実践的なニーズに応えていきます。

代表の思い

長田代表は「甲府・山梨には独自の課題と文化があり、その解決には地域に根ざした取り組みが不可欠です。都心の成功事例をうまくローカライズし、単なる模倣ではなく、地域に最適な人材戦略を共に作り上げていきます」と語ります。この言葉からも、「こうふHRBPラボ」が目指す理念が伺えます。

こうした新たな動きは、地域の雇用や経済成長のみならず、働く人々の人生に寄り添った支援を提供することが期待されています。企業の特性を生かし、持続可能な人材システムをともに創り上げることのできるこの取り組みは、地域の未来を切り開く力となるでしょう。