2024年のライブエンタメ市場は前年比でさらなる成長か

2024年のライブエンタメ市場動向の分析

一般社団法人コンサートプロモーターズ協会（ACPC）が発表した2024年のライブ・エンタテインメント市場データによれば、動員数は前年比105％に達し、市場規模は119％へと拡大しました。このデータは、ACPCの正会員社を対象に行われた「ACPC基礎調査」に基づいています。この調査は1989年から続けられており、国内で唯一のコンサートプロモーターの活動やライブ市場に関する詳細なデータを提供しています。

市場の概要

2024年の調査期間は1月から12月までで、ACPCには78社が正会員として登録されています。公演数は34,251回で、前年よりもわずかに減少したものの、動員数は59,389,784人に達しました。これは前年比で3,063,624人の増加を示し、過去最多の動員数となりました。市場規模については6121億6642万円を記録し、前年からは981億5870万円の増加を見せています。

年間の市場概況

1. 動員数と公演数の動向
2024年の公演数は昨年とほぼ同水準で推移していますが、動員数はスタジアムやアリーナでの新たな公演の増加により過去最多となりました。これは特に新設されたアリーナ6会場の稼働が影響しており、動員数は前年比131.2％と急増しました。

2. 地域別の市場規模の差異
市場規模は東京都心を含む関東・近畿地方で顕著な増加が見られる一方、全国的な市場回復には未だ差があり、完全な回復には至っていない状況です。

3. ホール会場の動向
アリーナ会場の増加にも関わらず、ホール会場の動員数は前年比89.1％と下落しています。これにより、ホール会場の減少が市場全体に与える影響が顕在化しています。

4. 海外アーティストの動向
海外からのアーティストによる大規模公演の開催が引き続き続いており、公演数は全体の6.4％を占める一方で、市場規模においては23.2％を達成しています。これは市場における新たな成長を示しています。