Edeyansが6.7億円調達、ホテル業界のDX推進を加速
株式会社Edeyans(本社:東京都、代表取締役:片山裕之)は、シリーズBラウンドにおいて総額6.7億円の資金調達を果たしたことを発表しました。この今回の調達は、株式会社オリエンタルランド・イノベーションズおよびWMパートナーズ株式会社からの出資に加え、金融機関からの融資を受けています。
AI SaaS「Jtas」と客室清掃オペレーション
Edeyansは、ホテル客室清掃のオペレーション管理を効率化するAI SaaS「Jtas」を中心に事業を展開しています。その中で、調達資金は「Jtas」の開発強化と、客室清掃オペレーションの拡大、人材基盤の整備に用いられるとのことです。
資金調達の主な目的は、まず、急速に進化するホテル業界での「人手不足、デジタル化の遅れ」といった課題に立ち向かうため、AIの導入を進めていくことです。「Jtas」を用いて、清掃オペレーションを効率化し、さらに補助的な業務もAIによって支援することで、業界標準を築くことを目指しています。
次に、ルームマイスターという専門職の採用と育成を通じて、現場で必要な技能を持った人材を強化し、人手不足に対応する意向を示しています。特に、インドネシアにおける現地拠点を設立し、人材の採用と教育を本格的に進める計画です。ルームマイスターは、Edeyansが独自に培った、プロフェッショナルな清掃業務に特化した職務です。
ホテル業界の変化に対応
近年、コロナ禍を経てホテル業界は大きな変革を迎えています。観光客数が回復する一方で、業界全体では慢性的な人手不足が深刻化しています。2024年には訪日外国人旅行者数が3300万人を超える見込みもあり、客室稼働率も85%前後に回復するなど、業界の活況が予測されます。しかし、これに伴い、サービス品質の低下やスタッフの過労といった問題も深刻化しているのです。
このような状況下で、Edeyansは「現場から生まれたテクノロジー」を通じて業界の構造的課題に取り組んでいます。
今後の展望
EdeyansのAI SaaS事業は、直近1年で月次経常収益が4倍に成長し、解約率は0%を維持しています。また、日本国内の大手ホテルチェーンの約39.5%に「Jtas」が導入されています。これにより、清掃業務をAI化し、さらには備品管理や設備点検もカバーする「業界標準OS」として進化を遂げることが期待されています。
客室清掃オペレーション事業では、すでに100名のルームマイスターが採用され、粗利益は前年比200%と急成長を見せています。この事業では、2030年までに1000名規模の採用を目指し、インドネシア拠点を活用した増員を計画しています。
代表者のコメント
Edeyansの代表取締役片山裕之氏は、深刻な人手不足には今こそ変革が必要であると述べています。特に、この1年半で「Jtas」の導入が進み、客室清掃サービスの採用も加速している実感を持っており、その結果、ホテル業界全体のオペレーションの進化に寄与したいと語っています。
まとめ
Edeyansの資金調達は、ホテル業界のデジタル化を加速するための重要なステップです。テクノロジーと人材育成を軸にしたアプローチで、業界の人手不足やオペレーションの非効率を解消し、今後さらに進化を遂げていくことが期待されています。