約20年にわたってベントレーの高級車に搭載されてきたW12エンジンが、ついにフィナーレを迎えようとしています。特に注目を集めているのが、バトゥール コンバーチブルという新モデルです。このモデルは、今後発売されるW12エンジン搭載車両の最後の一端を象徴しており、完成品はわずか16台のみが限定生産されます。
バトゥール コンバーチブルは、ドロップトップのグランドツアラーとしてデザインされており、750PSを誇る最強のW12エンジンが搭載されています。開発の過程では、120を超える個別テストが行われ、エンジンや車体の性能や耐久性が厳しく評価されています。特に、ヨーロッパ各国を走行しながらの3000kmに及ぶテスト走行は、開発の重要なステップとなります。
このテストは、ドイツを出発点としてイタリア、フランス、スペインを通り抜ける形で実施され、様々な路面や気象条件での走行性能を評価します。特に注目すべきは、モナコでの一時的な停車後、スペインのIdiadaテストコースに移動し、高速走行時や過酷な状況下での耐久性能テストが行われる点です。
ベントレーのカスタム部門であるマリナーが手掛けるこのモデルは、顧客が選ぶ仕様に反映される美しい内装とエクステリアが特徴です。顧客は、実際のマリナー ビジュアライザーを利用して、自分だけの特別なデザインを共同制作することができ、無限のカスタマイズオプションが用意されています。これにより、ユーザーの個性を最大限に引き出すことが可能になります。
開発車両の1つである「カーゼロ」は、特注のカラーや仕上げが施されており、ボディラインに鮮やかな色を加えています。一方、もう一台の「エンジニアリングカー」は、異なるデザイン要素を持ち、外装には高光沢のカーボンファイバーが使用されています。
このバトゥール コンバーチブルは、W12エンジンの集大成であり、ベントレーの伝統を尊重しつつ、未来への進化を示唆しています。車の設計は、快適な室内環境を実現するために改良が加えられており、わずか19秒でルーフを展開または格納でき、走行中でも操作が可能です。
マリナーの最高技術責任者ポール・ウィリアムズ氏は、この開発プロジェクトの意義と共に、車両がいかにして究極のオープンエア グランドツアラーとなるのか、自信を持って語っています。また、他のモデル同様、バトゥール コンバーチブルも厳しいテストが求められ、エンジニア達はすべての条件下で性能を確認するアルコールの役割を果たすことでしょう。完成するこのモデルは、他のどの車両とも異なる、目を見張る存在となることでしょう。