ジル・ドゥルーズ講義録シリーズがスタート!
この度、株式会社河出書房新社からジル・ドゥルーズ著『ジル・ドゥルーズ講義録絵画について』が2025年11月19日に発売されることが発表されました。この書籍は、生誕100年と没後30年を迎えたドゥルーズの重要な著作の一環となります。
著者背景と意義
ジル・ドゥルーズはフランスが生んだ著名な哲学者であり、その思想は現代の学問分野に深く影響を及ぼしています。彼の著作は日本でも広く翻訳され、愛される存在です。この新刊は、特にドゥルーズが大学で行った講義の記録から編集されたものであり、多くの読者にとって新たな発見があることでしょう。
この講義録は、ドゥルーズの哲学に触れたことのある方にも新鮮な読書体験を提供し、さらなる洞察を与えてくれるに違いありません。特に、著書で触れられる内容が、講義形式でより詳しく展開されている点が特徴的です。
内容の詳細
本書『絵画について』では、フランシス・ベーコンをはじめ、ゴッホ、ミケランジェロ、カラヴァッジョ、カンディンスキー、モンドリアン、さらにはポロックなど、幅広いアーティストの作品に対する考察が行われています。ドゥルーズ独自の視点から芸術を論じており、読み応えがある一冊です。
たとえば、彼はジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの作品を通して、描く行為に関する深い洞察を提示しています。ターナーの《光と色彩──大洪水の翌朝》に秘められた色彩の意味や、描写の背後にあるカタストロフについて言及することで、視覚芸術が持つ可能性を探ります。
また、第2弾ではスピノザについての講義が準備中とのこと。これからの展開にも期待が高まります。
誰に向けて
本書は、既にドゥルーズの著作を読んだことがある方だけでなく、初めて彼の思想に触れる方にも適しており、特に美術関係のクリエイターや美術愛好者におすすめです。ドゥルーズの視点を通して、絵画の新たな解釈や感覚を体験できるでしょう。
意義深い哲学的議論に加え、実際のアート作品への豊富な言及は、読者にとって知識を深める助けとなります。
講義録編集者と訳者
この書籍の編集を担当したのは、ドゥルーズの晩年の愛弟子であるダヴィッド・ラプジャード氏です。彼は、ドゥルーズの思想を深く理解し、影響を受け線引きする役割を果たしています。また、訳者の宇野邦一氏も、ドゥルーズの講義を実際に受けた経験を持ち、その独特の感性を生かし翻訳に取り組みました。
今回のシリーズスタートは、両者の貴重な協力によるものです。
結びにかえて
ジル・ドゥルーズの新たなセミナーからの知見は、単なる哲学的な考察を超えて、芸術と人間の関わりについて深い洞察をもたらします。彼の思想を土台にした新しい視点が読み手に響くことでしょう。
ぜひ、待望の講義録を手に取り、ドゥルーズの世界観に触れてみてください。