新たなタンパク質修飾法
2024-12-13 16:57:36

慶應義塾大学が開発した新たなタンパク質修飾手法の可能性

慶應義塾大学薬学部の研究チームが、タンパク質のN末端に機能性分子を結合させる新しい化学修飾法を開発しました。この研究は、花屋賢悟講師、田口和明准教授、さらに東京科学大学の河野正規教授と和田雄貴助教による共同の成果です。

この手法は、市販のマレイミド誘導体を用い、タンパク質の特定のアミノ酸残基に蛍光分子や医薬分子を効率良く結合させることを目的としています。従来のタンパク質化学修飾技術では、アミノ酸の一種であるシステインとの結合が主であり、システインを持たない多くのタンパク質には適用できないという課題がありました。

本研究では、タンパク質にマレイミド誘導体と2-PCA、銅(II)塩を加えることで、N末端アミノ酸の化学修飾を可能にする革新的な手法を確立しました。このアプローチは必要なアミノ酸残基や特別な配列を求めないため、数多くのタンパク質に適用可能で、非常に幅広い応用が期待されています。

さらには、この手法によって、N末端で架橋したタンパク質-タンパク質複合体や抗体-薬物複合体(ADC)の作製にも成功しました。これにより、従来のマレイミドを用いた化学修飾法の限界を突破し、新たな研究領域での応用が可能となります。

この成果は、タンパク質をベースにしたバイオ医薬品や生体材料の開発において、新たな技術革新をもたらすものと期待されています。研究グループは、この発見が生命科学や創薬など、多岐にわたる科学分野に貢献することを願っています。

また、今回の研究成果は国際学術誌「Angewandte Chemie International Edition」に2024年11月27日に掲載され、世界中の研究者たちへの影響が期待されています。

今回の開発により、これまで難しいとされていたタンパク質への機能性付加が可能となり、今後、薬物療法や新型の医薬品開発がさらに進むことで、生物医療の進展にもつながるでしょう。

この画期的な化学修飾法の詳細については、慶應義塾大学のプレスリリースを参考にしてください。 プレスリリースリンク


画像1

会社情報

会社名
慶應義塾
住所
東京都港区三田2-15-45
電話番号

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。