鎌倉のギャラリーで開催されるharunasugieの個展「You feel me？」

鎌倉のアートシーンを彩るharunasugieの個展

2024年6月8日から6月23日まで、鎌倉に位置するギャラリー「HUG FOR＿.」で、アーティストharunasugieの個展「You feel me？」が行われます。本展は、外見による差別や容姿への偏見という現代社会のシリアスなテーマを扱った彫刻作品の展示です。これまで自身の身体や容姿に苦悩してきたharunasugieは、彫刻を通じて美に関する価値観に疑問を投げかけ、観客に新たな視点を提供します。

harunasugieが手掛ける5点の彫刻作品は、作家自身が抱えるコンプレックスを石膏で再現し、ガラスや鏡を駆使した抽象的な造形で表現されています。これらの作品は、物理的に空間に存在することで、鑑賞者に自身の身体と周囲との関係性を問いかけます。彼女は、「私はこれまで、実際に感じてきた容姿や身体に関する問題を、ガラス作品で表現してきた。この作品たちは、自分自身の別の姿を見たいという欲求から生まれたものだ」と説明しています。

外見に対する社会的圧力

現在、ソーシャルメディアの発展により、私たちのコミュニケーションはより多様化しています。この一方で、他人との比較に晒される機会は増加し、魅力的な外見や理想的なライフスタイルが受け入れられる風潮は強まっています。美に関するトレンドには限界がなく、私たちは常に他人からの評価に左右されています。このような環境の中で、体型や年齢、肌の色といった要素で差別されることは大きな問題となっており、harunasugieはその解決のために新しいアートを通じたアプローチを試みています。

美とアイデンティティの探求

harunasugieは、現代の美に対する強迫観念から解放されるためにはどのようにすればよいのか、また、どのように社会がそれに応じて変化するべきかを問いかけます。本展を通じて、彼女はルッキズム（容姿至上主義）の課題に対して多角的な視点を提供し、参加者自身にも思索を深めてほしいと願っています。特に、初日の6月8日には自身の作品の背景を語るトークイベントも設けられます。この機会に、鑑賞者はharunasugieとの対話を通じて、作品の深層に触れることができるでしょう。