新細胞診断技術
2026-08-07 14:36:20

新たな細胞診断技術ががん細胞の高精度診断を可能に

新たな細胞診断技術ががん細胞の高精度診断を可能に



奈良先端科学技術大学院大学をはじめとする共同研究グループは、がん細胞と正常細胞の識別を高精度で行う新たな細胞診断技術を発表しました。この技術は、顕微鏡による観察だけでは難しい場合の解決策となることが期待されています。

研究背景と新技術の概要



細胞診断は、がんの早期発見に欠かせない検査法です。従来、病理医は細胞の形や核の特徴を観察してがんを判断するものの、形状が正常細胞と似たがん細胞を見分けるのは困難でした。がん細胞の内部には形だけでなくさまざまな変化が生じ、この変化を観察するのが難しいのです。

研究グループは、細胞に白色光を照射した際に生じる光散乱について注目しました。この光散乱から得られるスペクトルには、通常の顕微鏡では観察できない細かい内部構造の情報が含まれていることが知られています。

機械学習による光散乱データの解析



研究チームは、光散乱スペクトルを機械学習を使って解析することで、がん細胞と正常細胞を容易に分類できることを発見しました。特に、識別が難しい悪性中皮腫の細胞を対象とした研究で、高い精度での判別が可能であると実証されました。

さらに、この手法は異なる医療機関で作製された細胞診標本にも適用可能であり、施設の違いに影響されにくい特性を持っています。また、肺腺がんや小細胞肺がん、胃腺がんなど多様ながん細胞にも対応できることが確認され、幅広い応用が期待されています。

今後の展望と期待される影響



今後、より多くの患者からの細胞を用いてこの技術の有効性を検証し、機械学習の精度向上を図る予定です。さらには、顕微鏡システムとの統合を進め、診断支援システムの実用化を目指します。

もし本技術が実用化されれば、病理医の診断を支援し、細胞診断の精度と効率を高めることで、より質の高いがん診断に寄与することができるでしょう。

研究成果の掲載と関連情報



本研究成果は、学術誌『Scientific Reports』に2026年8月3日に発表されました。著者には、奈良先端科学技術大学院大学の細川陽一郎教授や、近畿大学の伊藤彰彦主任教授などが名を連ねています。

この技術の開発が実現することで、がん診断の現場に大きな変革がもたらされることでしょう。今後の動向に注目です。

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