矢井田 瞳、25周年を祝う特別な夜
2024年4月4日、東京・WWWXにて、シンガーソングライター矢井田 瞳のデビュー25周年記念弾き語りツアー「GUITAR TO UTA 24-25」のファイナル公演が行われました。このロングツアーは、2024年7月28日から始まり、約8ヶ月にわたり全国25ヶ所で全28公演を実施。満を持して迎えたこの日の公演には、熱心なファンが集結し、その独特な音楽世界に浸るにはもってこいの時間となりました。
開演時にはアイルランド音楽のBGMが流れ、いよいよ矢井田 瞳がアコースティックギターを持ってステージに登場。最初に披露したのは「マーブル色の日」で、そのクリアな声が会場を包み込みます。続けて歌われた「地平線と君と僕」ではファンの手拍子が自然に生まれ、彼女の音楽が一体感を生んでいきます。
「今日という日が素敵な日になりますように」との言葉で始まった「さらりさら」では、明るいエネルギーが会場に広がり、続くMCでも全国各地でのファンのエネルギーをここに集結させるという決意を表明しました。ツアーを通じて選曲にこだわり、全ての公演で異なる楽曲を披露した様子は、リクエストを反映したファンとの対話とも言えるものでした。
特に印象的だったのは、エキゾチックな感触とブルースの要素が交錯する「一人ジェンガ」。冷たい孤独に焦点を当てつつ、感情深く歌い上げる矢井田 瞳の姿が心に残ります。また、「雨の降る街」では、失った大切な人への想いが切々と描かれ、観客は彼女の感情に深く引き込まれました。その後もアコギのエフェクトを多用しながら楽曲の内包するストーリーを拡張するパフォーマンスが続き、彼女の弾き語りの魅力が存分に発揮されました。
ライブ中盤では、特に印象的なリクエスト曲が続きます。「かまってちゃん。」では軽快なリズムで会場を盛り上げ、「間違いだらけのダイアリー」や「ハッピースピナー」ではポジティブなメッセージがファンの背中を押しました。観客も心を一つにして、手拍子や掛け声で応え、距離感を一気に縮めていきます。
後半では「手と涙」や「アイノロイ」が披露され、深いメッセージ性とともに観客の心に響きます。「困難な毎日でも、幸せの形は自分で決める」とのパワフルな歌詞に、参加者たちの心にもなにか新しい決意が芽生えたことでしょう。
ライブのクライマックスでは、「Go my way」「B'coz I Love You」などの代表曲が次々と演奏され、全会場が歓喜の渦に包まれました。特にフィナーレの「Life’s like a love song」では、「LaLaLa」の大合唱が広がり、この公演が生涯忘れがたい瞬間となったことを証明しました。
アンコールでは「Simple is Best」と「Circle」が披露され、矢井田 瞳の25年にわたるキャリアの集大成を感じさせる感動的なシーンが展開されました。観客との深いつながりを大事にしながら、今の彼女の音楽がどれだけ多くの人に届いているかを実感した夜だったでしょう。
このツアーのセットリストは、全公演の中で選りすぐりの楽曲を網羅していて、記録されるべきものです。その後、音楽配信サービスではセットリストのプレイリストも公開され、多くのファンが楽しめるようになっています。
次なるステージとして、2025年にはファンからのリクエストに応えるライブ「矢井田 瞳 25th Anniversary Live Tour『25』」が予定されています。これからも彼女の音楽が、多くの人々に愛され続けていくことでしょう。矢井田 瞳の25周年は、単なる過去の振り返りではなく、未来を見据えた一歩となることに違いありません。