川村財団の新支援
2020-01-16 11:32:51
川村文化芸術振興財団が発表した新しいアート支援プロジェクトの全貌とは
川村文化芸術振興財団が選定した2020年度ソーシャリー・エンゲイジド・アート支援プロジェクト
川村文化芸術振興財団は、日本初となる「ソーシャリー・エンゲイジド・アート」への支援を2017年から開始し、2020年度のプロジェクトが公開されました。この年度には、全国からの応募の中から特に独創性と地域密着型のプロジェクトが選ばれ、二つのプロジェクトに助成金が提供されることとなりました。
選ばれたプロジェクト
2020年度には、以下の2つのプロジェクトが支援対象として決定されました。まず一つは「ちょちょまうヴァナキュラー〜にしなり+路上+野点+屋台」。もう一つは「The Clothesline」です。これらのプロジェクトは、社会と密接に関わりながらアートを展開するもので、地域の人々との交流を通じて新たな表現方法を模索しています。
「ちょちょまうヴァナキュラー」プロジェクト
このプロジェクトは、20年以上にわたり公共空間での表現活動に取り組んできた美術家・きむらとしろうじんじんが展開。その活動の主軸は「野点」と呼ばれ、人々が自由に交流できる空間を創出することを目的としています。きむら氏は、年齢や性別、国籍を超えた、多様な人々が交流する場を作り出し、一種の社会的な「越境」を生み出すことを目指しています。
このような活動を通じて、公共空間の活用法を再考し、地域住民との共同作業を通じて新たなコミュニティの形成を打ち出します。具体的には、地元の参加者がオリジナルの屋台を制作し、地域の魅力を路上に展開することにより、地域社会の感情や思考の対話を促します。このプロジェクトは、地域密着の活動に新たな視点を加えるものとなっており、特に地域の人々とともに創造することに重きを置いています。
「The Clothesline」プロジェクト
もう一つのプロジェクト、「The Clothesline」は、鑑賞者が物干しロープに質問の回答を書き込み、意見を可視化することができる作品です。このプロジェクトでは、参加者が日常生活に潜む問題や声を発見し、社会問題に光を当てることを目指しています。特防的な視点から、人々の意見を共有しコミュニケーションを促進することが期待されています。
参加者が自らの体験を書いた紙をロープに干すことで、あたかも物干しが「声なき声」を引き出す道具となります。特に、ジェンダー問題や日常的な嫌がらせに注意を促す内容が盛り込まれ、地域の問題を反映させる活動につながっていくことが期待されているのです。
結論
川村文化芸術振興財団が進めるソーシャリー・エンゲイジド・アート支援事業は、単なる助成金を超え、地域との結びつきを大いに重要視することで新たな社会的対話の場を生み出すことを目指しています。これらのプロジェクトが、地域社会にどのような影響を与えていくのか、今後の展開に注目です。
このように、地域の中で芸術がどのように展開され、その影響がどう及ぶかは、私たち一人一人にも深い関わりがある問題です。川村文化芸術振興財団の取り組みは、社会と芸術の関係を再考させるきっかけともなるでしょう。
会社情報
- 会社名
-
一般財団法人川村文化芸術振興財団
- 住所
- 東京都千代田区外神田二丁目15番2号
- 電話番号
-
03-5245-2120