シニア世代の新たな楽しみ、義歯キャンパーの実態
近年、活発なシニア層の中でキャンプブームが広がっており、それに伴って入れ歯を使用する“義歯キャンパー”も増加しています。株式会社お守り入れ歯が実施した調査によると、日本全国で2200名にアプローチした結果、51名の義歯キャンパーが清掃方法や保管状況に関するアンケートに回答しました。ブランドの調査からは、シニア世代がアウトドア活動で向き合う“歯”の現実が浮き彫りとなりました。
入れ歯キャンパーの実態
調査によると、約49.1%の義歯キャンパーが入れ歯の清掃に洗浄剤を使用しておらず、ほとんどが水や専用ブラシ、またはウェットティッシュでのふき取りに留まっていました。この結果は、高齢者層がキャンプ中にどれだけのお手入れを行っているかを知る上で重要な鍵となります。
特に、入れ歯利用者にとって、清潔な口内環境は健康の維持に欠かせません。キャンプ場という非日常的な環境下では、歯科的なケアが不足し、口臭や虫歯といった健康リスクが高まる可能性があります。実際、入れ歯の清掃や保管方法についての調査では、32.7%が洗浄剤を使わない結果が示され、40.8%が水を入れた専用ケースで保管していることが明らかになりました。
意外な清掃方法
データによると、キャンプでの入れ歯清掃に関しては、40.9%が水だけを使い、8.2%がウェットティッシュとし、お手入れをしないという回答もありました。これは、短期間であっても不衛生な状態で過ごす危険性があることを示唆しており、高齢者キャンパーにとって、今後のキャンプ体験をより健康的にするための問題意識が必要です。
義歯キャンパーが求める便利グッズ
調査では、義歯キャンパーがキャンプ中に感じた不便として、81.6%が何らかの困難を経験したと回答しました。それには、口臭が気になる、食べかすが取れない、義歯が外れやすい、などの声が寄せられました。これを踏まえ、キャンプに最適な入れ歯ケアグッズとして、最も望まれているのが水不要の拭き取りシート(55.1%)、続いて自然に優しい洗浄剤(53.1%)、コンパクトな保管ケース(51.0%)でした。
健康を維持しながら楽しむキャンプ
株式会社お守り入れ歯の代表、池田昭氏は、「自然の中での楽しい経験は人生100年時代を生きていく中で大切な事です。しかし、それは健康であることが前提です」と述べた上で、キャンプを楽しみながらも、入れ歯のお手入れとその保管を心がける重要性があると強調しています。
まとめ
アクティブなシニア層にとって、キャンプは魅力的な選択肢。しかし、入れ歯を使用する高齢者が増加する中で、彼らの健康を損なうことなくキャンプを楽しむためには、入れ歯ケアの重要性が改めて浮き彫りになりました。今後は、義歯キャンパー向けの便利な商品やサービスが求められるとともに、健全な口内環境を維持するための意識向上が期待されます。