「主権者意識向上カリキュラム」とは
日本青年会議所(JC)は、若者が政治に参加する意識を高めるため、『主権者意識向上カリキュラム』を全国の高校で実施しています。このカリキュラムは、政治への無関心を解消し、未来の有権者となる若者たちに、民主主義の重要性を伝えることを目的としています。
政治参加の現状
選挙権年齢が18歳に引き下げられてからの10年、この若い世代の投票率は依然として低迷しています。例えば、2022年の参議院選挙では、18〜19歳の投票率が35.42%、20歳代は33.99%でした。2024年の衆議院選挙においても、期待される投票率は低いままです。これらのデータは、若者が政治に対して無関心であることを示唆しています。
カリキュラムの概要
『主権者意識向上カリキュラム』は、第1部と第2部に分かれています。第1部では、アニメを通じて異なるキャラクター間の意見交換を体験します。この授業では、設問「学校の制服をどうするか」に基づき、多様な意見を見聞きし、グループディスカッションを行います。そして、最後に自分が共感したキャラクターに投票を行います。このプロセスを通じて、生徒は自らの意見が社会に反映される感覚を実感し、投票の重要性を学びます。
第2部では、情報の取扱いについて学びます。事実が錯綜する現代において、情報を鵜呑みにせず多角的な視点を持つことが求められます。将来の投票などで自信を持って判断できる力を育むことが狙いです。
実施の成果
このカリキュラムは、今年の上半期だけで、全国19校で約3,300名の高校生が参加しました。また、特に注目されたのは、大分県の佐伯豊南高校における授業。そこでは授業後に選挙管理委員会が校内で期日前投票所を設置し、生徒や教職員が実際に投票を経験することができました。このように、学びを実践に繋げる取り組みが評価されています。
参加者の声
参加した学生たちは「アニメと議論を通じて楽しく学べた」、「多様な意見を尊重することの重要性を学んだ」と述べています。さらに、「選挙は自分たちの生活に直結するので、慎重に投票したい」との意見も。若者たちが自らの意見を大切に感じ始めていることが伺えます。
今後の展望
このカリキュラムは今後も全国の高校で展開される予定です。和歌山県、大阪府、茨城県、東京都、広島県など、参加校を増やすことで、さらに多くの若者に民主主義について考える機会を提供していく計画です。
お問い合わせ
興味がある方は、公益社団法人日本青年会議所にて詳細をご確認ください。若者の政治参画が、今後の日本を引っ張る力となることを期待しています。